殺虫剤で蚊が増える?

殺虫剤で蚊が増える、予期せぬ副作用が明るみに
以下は、記事の抜粋です。


調査はコスタリカで実施された。そこに生息する蚊は、害虫駆除を目的とする一般的な薬剤に対して耐性を進化させていた。一方、蚊の天敵はそうした進化を遂げておらず、結果的に蚊の個体数を急増させてしまった。

研究チームは、殺虫剤が使用されていない森と農園の蚊を調べた。コスタリカのオレンジ農園では、アブラムシを駆除するためにジメトエートという殺虫剤を使用しているが、この薬剤は他にも多くの種の昆虫を殺す。

調査によってわかったのは、殺虫剤が使用されているにもかかわらず、オレンジ農園には手つかずの森に比べて2倍もの蚊がいるということだった。しかし、蚊の幼虫の天敵であるMecistogaster modestaという種のイトトンボの幼虫は、農園内では著しく少なかった。

調査チームはこれらの蚊とイトトンボの幼虫を実験室に持ち帰り、様々な濃度のジメトエートにさらしてみた。すると、農園の蚊は、森の蚊に比べて10倍の濃度のジメトエートに耐えられることがわかった。一方で、農園のイトトンボの幼虫にはそうした耐性はなかった。

この研究結果はさらに大きな図式の一部だということになる。それは、蚊の抑制が世界的に困難になっているという現実だ。すでに世界各地で、多くの一般的な殺虫剤に対して蚊が耐性を持つようになっている。特に、危険な病気を媒介する種については懸念が大きい。

耐性を進化させた蚊が、耐性を進化させられなかった天敵を逃れるという、今回明らかにされた現象は、蚊が媒介する病気の阻止をより困難にする。


関連記事に紹介したように、蚊はヒトにとって、地球上で一番危険な生き物です。蚊が殺虫剤に対して耐性を獲得するメカニズムは研究する価値があるかもしれません。下の図は、関連記事に紹介したものですが、蚊の次に危険なのがヒトなのが皮肉です。たぶん、日本では蚊よりもヒトが危険だと思います。

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