新型出生前診断、一般診療に 実施施設増の見通し
以下は、記事の抜粋です。
妊婦の血液から胎児の染色体異常の可能性を調べる新型出生前診断(NIPT)について、日本産科婦人科学会(日産婦)は3日の理事会で、倫理面から臨床研究に限定してきた指針を変更し、一般診療として実施することを正式に決めた。現在は指針に基づき、日本医学会が臨床研究として実施する医療機関のみを認定しているが、今後は研究計画書や施設内の倫理委員会を通すことが不要になるため、実施施設が増える見通し。
NIPTは胎児の染色体が1本多いダウン症など3疾患の可能性を妊娠早期に調べることができ、他の出生前診断と比べて手軽で精度が高いのが特徴。国内では2013年4月に導入され、現在は90施設が認定されているが、事実上は大手の医療機関に限られている。胎児の染色体異常による中絶につながるため、「命の選別」との批判も根強い。
NIPTは、”non-invasive prenatal genetic testing”の略です。英語では、”maternal blood cell-free fetal nucleic acid (cffNA) test”とも言うようです。
これまで、遺伝病の出生前診断は、羊水穿刺などの侵襲的な手法で胎児の組織サンプルを採取することによって行われていました。この手法には、わずかですが明確なリスクが伴います。新しい方法では、母親の血液に混じっている胎児のDNAを解析するので安全です。
記事では、「NIPTは胎児の染色体が1本多いダウン症など3疾患の可能性を妊娠早期に調べることができ、他の出生前診断と比べて手軽で精度が高いのが特徴。」と書いていますが、以前から本ブログの関連記事で紹介しているように、その精度はその気になれば胎児の全ゲノム配列ができるレベルです。現在のコストは20万円ぐらいだそうです。
関連記事
妊婦の採血だけで診断する新型出生前検査で、9割以上の胎児病気確定
妊婦血液でダウン症などを高精度に出生前検査―9月から試行がスタート
非侵襲的出生前胎児診断―父母からの採血だけで妊娠18.5週ヒト胎児の全ゲノム配列が決定できる
出生前検査の最前線: 妊娠中の母親の血液から胎児のゲノム配列を決定
NIPTでもダウン症の偽陽性が出現する可能性を説明した図
コメント