オートファジーの破綻がパーキンソン病の原因となる
以下は、記事の抜粋です。
順天堂大学は、ドーパミン神経細胞特異的にオートファジーを欠損させたマウスを作製したところ、孤発性パーキンソン病の病態を忠実に表現するモデルマウスとなることを示したと発表した。同大医学研究科神経学の佐藤栄人准教授、服部信孝教授らの研究グループによるもの。
研究グループは、レビー小体の形成メカニズムの解明を目的として、ドーパミン神経細胞特異的にオートファジーの機能を欠損させることにより、細胞内封入体形成を伴うパーキンソン病のモデル動物の作製した。
その結果、孤発性パーキンソン病の病態を忠実に表現するモデルマウスとなることを示したほか、パーキンソン病に特徴的なレビー小体の形成メカニズムを明らかにしたという。
なお、今回の成果を受けて研究グループは、同成果は今後、パーキンソン病の予防・治療に大きく道を開く可能性を示すものだとしている。
元論文のタイトルは、”Loss of autophagy in dopaminergic neurons causes Lewy pathology and motor dysfunction in aged mice”です(論文をみる)。
論文内容は、Atg7という遺伝子をドーパミン神経細胞特異的(?)にマウスでノックアウトすると、レビー小体のようなものができて、パーキンソン病のような運動障害をおこしたという話です。ヒトのパーキンソン病やレビー小体型認知症でオートファジー遺伝子に異常があるとか、オートファジーがこれらの病気の原因であるというわけではありません。
論文の要約には、”P62 aggregates derived from an autophagic defect might serve as “seeds” and can potentially be cause of LB formation.”ととても控えめに書かれていますが、メディアへの発表では、「パーキンソン病の予防・治療に大きく道を開く可能性を示すもの」になっています。
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