骨粗しょう症薬、2型糖尿病の発症を半分に、「ビスホスホネート」に意外な効果
以下は、記事の抜粋です。
ギリシャの陸軍総合病院の研究グループは、”Journal of clinical endorinology and metabolism”誌で2015年2月19日に報告した。
2型糖尿病のリスクに対するビスホスホネートの効果を検討した。具体的には、1995年から2010年までの期間で集団を追跡していく研究で、1年以上ビスホスホネートを使っていた60歳以上の約3万6000人と、年齢、性別、BMI、その他の条件を合わせたビスホスホネートを使っていない12万6000人強を比較するというものだ。
その結果、2型糖尿病のリスクはビスホスホネートを使っていた人では使っていない人と比べほぼ半減していると分かった。統計学的にも意味のある差と判定できた。男性では2割強の減少、女性では半減、肥満の人でも半減、ステロイドを使っている人でも半減と一貫した結果が出てきた。
元論文のタイトルは、”Bisphosphonates and glucose homeostasis: a population-based, retrospective cohort study”です(論文をみる)。
60歳以上で調査スタート時には糖尿病のない35,998例のビスホスホネート服用群と年齢、性、BMIなどをマッチさせた126,459例のコントロール群を比較した研究です。
スタチンなどの投薬による交絡因子を否定しきれない後ろ向き研究ですが、ビスホスホネートの服用期間と糖尿病のリスク低下が関連していることや「リスク半減」という大きな効果を考えると、メカニズムは別として、ビスホスホネート服用で2型糖尿病リスクが低下するのは本当かも知れません。
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