なぜ「まつげ」はあるのか?謎の解明に迫る 米研究
以下は記事の抜粋です。
人や動物にはなぜ、「まつげ」があるのだろうか──。この問いに答えるため、専門家らは長年にわたって議論を闘わせ、さまざまな仮説を提唱してきた。
このまつげにまつわる謎について、米ジョージア工科大学の研究者、David Hu氏率いるチームは2月25日、論文を、Journal of the Royal Society Interface誌に発表した。それによると、空気中に浮遊する微粒子、細菌、ウイルス、ダニなどから目を保護するために、まつげは目の周囲の気流の向きを変えているのだという。
まつげは、「受動的なほこり制御システム」としての役割を果たし、「涙の蒸発と微粒子の蓄積を最大50%減少させる」と研究チームは説明した。研究チームはさらに、ヤマアラシから人間まで、哺乳類22種のまつげの長さを測定した。
その結果、まつげの長さは22種の哺乳類すべてで、目の幅の約3分の1であることが分かった。これは、視界をさえぎることなく、目に当たる気流を最小限に抑えるために最適化された長さになっているという。
研究チームは次に、一方の端に哺乳類の目の複製を取り付けた小型風洞を製作した。複製の目は、水の薄い被膜で覆われた直径2センチの皿と、それを取り巻く模造まつげで構成され、風は歩く速度でこの「目」に当たるよう方向が設定された。その結果、まつげは気流を皿から離れた方向に変えて水の蒸発を防ぎ、微粒子の進路をそらしていることを研究チームは突き止めた。
この実験結果は、まつげが少ない人ほど、いわゆるドライアイに起因する目の感染症にかかるリスクが高くなるとの医学的所見の裏付けとなる。つけまつげは、「ドライアイ」に対抗する武器になる可能性があると今回の研究論文は示唆している。
元論文のタイトルは、”Eyelashes divert airflow to protect the eye”です(論文をみる)。以下は、論文の図でいろいろな動物の「まつげ」の長さを調べたものです。動物の「まつげ」なんて気にしたことなかったですが、おもしろい研究だと思います。
関連記事
ビマトプロスト(bimatoprost、ルミガン®)による睫毛(まつげ)の成長促進作用について
まつ毛フサフサ薬グラッシュビスタ®の成分は緑内障治療薬ルミガン®と同じビマトプロスト
コメント