ウシにシマウマのシマ模様を描くと「吸血ハエの数が半分になる」と判明
以下は、記事の抜粋です。
過去の研究により、シマウマの模様には「吸血動物を避ける作用がある可能性」が認めらています。そんな中、ウシにしま模様をつけてその様子を観察した実験により、「シマウマの模様を描くとウシにたかるハエが半減する」ことが確認されました(論文をみる)。
日本を含む全世界に生息しているサシバエは、哺乳類から血を吸う昆虫で、特にウシやウマなどの家畜にとっては深刻な問題です。サシバエに襲われたウシはストレスから運動量や食欲が減退し、不眠などの症状を引き起こすため、肉牛の体重が落ちたり、乳牛が出す乳の量が大幅に落ち込んでしまったりします。
このため、畜産業者は殺虫剤を使用するなどして対策を講じていますが、強力な殺虫剤は環境に対する影響だけでなく人畜への健康被害も懸念されます。しかも、害虫はすぐに殺虫剤に対する耐性を獲得してしまうため、根本的な解決策にはなりません。
そこで、より抜本的なハエ対策を模索していた愛知県農業総合試験場の研究者らは、実際にウシにしま模様を付ける実験を行いました。
3日間の観察実験の結果、しま模様が描かれたウシに付いたハエの数はほかのウシの半分しかありませんでした(図a)。また、ハエに悩まされていることを示す忌避行動も約20%減少しています(図b)。
とてもおもしろい研究だと思います。イグノーベル賞かも?。問題は、低コストでウシに縞模様をつける方法の開発です。
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