会話中のアイコンタクトは難しいもの

会話中のアイコンタクトが難しいのは「脳への負荷」が原因かもしれない
以下は、記事の抜粋です。


「アイコンタクトは脳のリソースを消費し、会話を難しくする」という研究結果が発表されました。

会話の際に相手と適切なアイコンタクトをとることは、会話を通じて相手との信頼関係を築く上でも重要であるとされていますが、じっと相手の目を見つめ続けることはなぜか難しく、つい顔をそらしてしまいがちです。京都大の梶村氏らは、2016年にアイコンタクトが脳の言語処理に及ぼす影響についての研究を行いました。

「アイコンタクトと言語処理は独立したもののように見えますが、会話中の人々は頻繁に相手から目を背けます」と梶原氏らは指摘。アイコンタクトと会話で行われる言語処理の間に、なんらかの関連があるのではないかと考えたとのこと。

研究では26人のボランティアを対象に、アニメーションで作られた「こちらを見てアイコンタクトしている顔」と「視線をそらしている顔」を見つめながら、特定の単語と関連する動詞を口頭で答えるというタスクに挑戦してもらいました。たとえば「ナイフ」という名詞が出題された場合、「刺す」「切る」といった動詞が関連したものとして挙げられます。

研究の結果、アニメーションの顔が目を背けている場合は言語処理に影響が出なかった一方で、アニメーションの顔とアイコンタクトをとっている場合では、ボランティアたちが対応する言葉を考えるのに時間がかかることがわかりました。アイコンタクト中に言葉の連想が難しくなったのは、特に「葉っぱ」から「落ちる」を連想するように、比較的動詞とのつながりがわかりにくい単語の場合に顕著だったとのこと。

アイコンタクトをすると言語処理に影響が出る理由について、アイコンタクトの維持と言語処理が同じ認知処理のリソースを使っているのではないかと梶原氏らは考えています。

実験のサンプルサイズは小さいものの、今回の研究結果は「人が会話中に視線をそらしてアイコンタクトを中断したとしても、相手のことを嫌いだったり、会話をつまらなく感じたりしているわけではない」ということを示唆しています。

なお、「アイコンタクトのし過ぎは相手を不快にさせる」という研究結果もあり、アイコンタクトが長ければ長いほどいいというわけでもないようです。


元論文のタイトルは、”When we cannot speak: Eye contact disrupts resources available to cognitive control processes during verb generation”です(論文をみる)。

アイコンタクトは2.7~4.0秒以上続けると相手が不快になるという研究報告があります(記事をみる)。私もアイコンタクトをして話すことはとても苦手です。これまでは、真面目に話していることを相手に示すために無理にアイコンタクトをして来ましたが、今後はこの記事や論文のことを説明して、眼を見ないで話そうと思います。

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