「夢はレム睡眠のときに見ている」はウソだった
以下は、記事の抜粋です。
夢を見ているかどうかは、「レム睡眠」か「ノンレム睡眠」かを見ればわかる、という従来の定説を覆す研究が発表された。後部皮質領域の「ホットゾーン」の活動を観察することで、被験者が夢を見ているかどうか、さらには夢の内容までもが特定できるという。
元論文のタイトルは、”The neural correlates of dreaming(意訳:夢をみる時に重要な脳の部位とその働き)”です(論文をみる)。
上の記事はセンセーショナルなタイトルをつけていますが、下の記事で紹介したように、「夢を見るのはレム睡眠のときだけ」ではないということは以前からわかっていました。
「夢を見るのはレム睡眠のときだけ」――それは間違いです!
上の論文の要約にも”However, dreaming also occurs in non-REM (NREM) sleep, characterized by prominent low-frequency (electroencephalographic) activity. “と書かれています。
論文が言いたいことは、記事中の「レム睡眠中であれノンレム睡眠中であれ、夢を見ているときは、脳の後部皮質領域(”posterior hot zone”)における低周波活動が減少し高周波活動が増加している」ことです。この”posterior hot zone”とよばれる「睡眠時の意識的経験と関連する部位の中核として機能している可能性がある」領域を発見したことが論文の主張です。
この研究で使われた方法は、”high-density electroencephalography(高密度脳波)”とよばれる256本の電極を用いるもので、この方法を用いれば、脳の小さな部位での活動も正確に把握できるそうです。この方法を用いて、睡眠に影響を与える薬物や病気の詳しいメカニズムが明らかにされることを期待しましょう。
下の絵の”cortica region”の後ろの部分が”hot zone”とよばれる後部皮質領域です。
コメント
被験者になるヒトは大変そうですね。
電極を256本、入れられる側の脳の状態に影響を与えずに
データが取れるのか?
どうやって確認するのでしょうか?