塩分を長期間にわたって過剰摂取すると、「のどが渇く」のではなく「おなかが空く」

塩分のとりすぎによって生じるのは「喉が渇く」ことではなく「お腹が空く」ことだと判明
以下は、記事の抜粋です。


実験は、105日間の生活を送るグループと205日間の生活を送る、各10人の男性からなる2つのグループを対象に実施され、塩分の量を3段階に変化させた食事を被験者に継続して与えて、各自がどのような反応を見せるのかが調べられました。

その結果、塩分摂取量が増加すると水分摂取量が増え、排泄する尿の量と尿に含まれる塩分の量もそれに応じて増加したことは予想どおりでした。しかし、これは短期間での結果で、長期間にわたって調べた場合、塩分の過剰摂取は水分の摂取を少なくする効果があり、その理由として塩分には腎臓での水分保有を増加させる働きがあることがわかったそうです。

従来は、ナトリウムイオンと塩化物イオンなどの塩分が水分子を捕らえて一緒に尿注に排出されると考えられてきましたが、今回のマウスを用いた実験で、腎臓に溜まった尿素が塩分による体内からの水の排出を弱めることが明らかになりました。尿素をつくるには多くのエネルギーが必要なため、高食塩食を与えられたマウスはコントロールマウスよりも多く食べるようになと考えられています。

このように、長期の高食塩食は「渇き」ではなく「食欲」を増進しました。ヒトの場合でも、高食塩食グループの被験者は、他のグループよりも空腹であるとを訴えていたそうです。


記事には良くわからない部分がたくさんあったので、元記事と元論文(その1その2)を参考に抜粋を修正しています。

この研究は、火星などに長期に宇宙飛行士が滞在する場合の健康保持を目的に行われたようです。その結果、これまで明らかでなかった尿素の水分保持における役割が明らかになり、長期に塩分を多く摂ると、身体が尿素を作るためにエネルギーを消費しておなかが減るということが分かりました。

最後に、飲み屋さんが塩辛いおつまみを出してお客にたくさん飲んでもらおうとするのは、「短期戦」なので正しい作戦です。ご安心ください。一方、生活習慣病で悩んでいる方には、「塩分控えめ」が高血圧にも糖尿病にもおススメです、と強く言ってあげましょう。

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