かぜで抗生物質で使いすぎない 医師用手引きで呼びかけ…これで減るか?

かぜで抗生物質で使いすぎない 医師用手引きで呼びかけ

以下は、記事の抜粋です。


厚生労働省の専門家作業部会は2月21日、風邪や下痢の患者に不必要な抗生物質(抗菌薬)を使わないよう、医師の診断手順などを示した「適正使用の手引き」案を大筋で了承した。

薬が効かない薬剤耐性菌の発生を抑える狙いで、患者から抗菌薬を求められた際の断り方も紹介している。政府は昨年、抗菌薬の使用量を2020年までに13年比で3分の2に減らす目標を決定した。

手引案では、外来診療などで不必要に処方されていることが多いとされる風邪など急性気道感染症と急性下痢症について、百日ぜきやサルモネラ腸炎といった細菌性の病気や重い病気の兆候ではないと見分けるなどしたうえで、抗菌薬では効果がないことや副作用のリスクを考えて処方しないことを推奨した。


風邪症状の多くがウイルスによってひき起こされることと、抗生物質(抗菌薬)が効かないことが多いことは、ほとんどの医師が知っていると思います。

また、解熱鎮痛薬に抗菌薬を追加しても、医師の収入に大きな違いはありません。それでは、何故多くの医師が風邪の治療薬として抗菌薬を処方するのでしょうか?

私がある開業医に聞いた時の答えは、「もしも細菌性の肺炎や気管支炎が合併していて、抗菌薬を投与せずに患者を帰して悪化してもしもの事があった場合、訴えられたら負ける。政府も医師会も守ってくれない。」でした。

これも既に関連記事に書いた内容ですが、アメリカでも、急性気道感染症に対して抗菌薬を使うべきでないという勧告は常にされていますが、まったく使用は減っていません。ということで、記事にあるような手引きを作っても、「念のために」処方される抗菌薬はそれほど減らないと思います。

あと、微生物の専門家に聞いたところ、「風邪の原因がウイルス」であるというエビデンスは少ないそうです。確かに、今頃そんなことを研究しても多額の研究資金は得られないと思います。

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