時間に追われる現代の研究者が、いかにして良質な執筆を継続的に進めていくか

できる研究者の論文生産術―どうすれば『たくさん』書けるのか

この記事は、書評です。以下は、その書評の抜粋です(下線太字はブログ著者)。


内容: 論文の書き方に関する指南書はこれまでも数多く出版されているが、本書が画期的なのは、いかにして論文執筆のモチベーションを上げ、精神的負担を軽くして論文執筆に取り組めるようにするかについて、メンタルな面を含めて冷静に分析し、その解決策を誰にでもわかるように明瞭に提示している点だろう。(本書あとがきより)

対象: 論文執筆を生業とする研究者およびその卵 研究に携わらずとも、文章執筆がなかなか進められない人

感想・評価: 本書は論文執筆をテーマとする自己啓発書“How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing”の邦訳版である。本書が他の論文指南書と一線を画している点は、「時間に追われる現代の研究者が、いかにして良質な執筆を継続的に進めていくか」に重きを置いて記述している点であろう。

この実現を目指す本書のメッセージはきわめて明確である。すなわち 【執筆時間を予めスケジューリングして、規則的に書く】 【執筆目標を明確にし、優先順位を付け、執筆状況をモニタリングする】 ということに尽きている。

【まとまった空き時間を確保して一気に書き上げてしまう「一気書き(binge writing)スタイル」】は明確に否定されている。

たとえば10日に分けて1/10ずつ毎日書くのと、10日ごとに1日使って一気に書くのとどっちが良いか?ということを考えて見たい。 私自身は、前者が圧倒的に上手く機能するという実感を持っている。このメッセージを浸透させるべく、著者はまず真っ先に『論文執筆を妨げる典型的な言い訳』―たとえば「書く時間が取れない」「もう少し論文を読まないと」「気分が乗るのを待っている」など―に心理学者の立場から反論を加えている。

以下は、アマゾンのカスタマーレビューからの「どうすればたくさん書けるか?」についてのまとめです。ほぼ皆さん同じです。たくさん論文を書きたい人はそうしてください。実験系の研究者にもあてはまると思います。

●執筆スケジュールを日々のスケジュールに入れ込む

●毎週決まった時間に執筆時間を設定して、必ず書く

●研究者としてのライフスタイルとして「執筆作業」を習慣化させる

●文章を量産する人たちは、スケジュールを立て、きちんと守っている

●論文を書くためには、執筆時間を定め、その時間には言い訳をせず、何が何でも執筆(や、執筆に関連する文献読み込みやデータ分析など)を行うことが重要である

●毎日の仕事の中で、「論文を書くための時間」を設ける

●いつか出来た時間に一気書きをしようとしても無理。 毎日、時間を決めて習慣として書き続けるべし

●毎日,論文作成を行う時間を決めて確保する

●毎日3時間もあれば必要なことはすべて書ける

●毎日決まった時間に論文執筆のための時間をつくる

●たくさん書くには目標と計画を立て、日々の執筆量を管理する。

以下は、とりあげた書籍のリンクです。

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