急性気道感染症への「抗菌薬不要」勧告【米国内科学会】外来での抗生物質の半数が不適切
以下は、記事の抜粋です。
米国内科学会(ACP)と米国疾病対策センター(CDC)は1月19日、共同で成人の急性気道感染症(ARTI)診療での抗生物質の処方について助言する勧告を発表した。
ARTIは一般的な風邪や、合併症のない気管支炎、咽頭炎、副鼻腔感染症などが含まれ、医療機関への受診理由で最も多い。CDCのデータによれば、外来診療部門で処方される抗生物質の50%は不要または不適切な可能性がある。
同勧告では、一般的な風邪症状に対しては、抗生物質を処方すべきでないと明記。合併症を伴わない気管支炎に対しても、肺炎が疑われない限りは検査や抗生物質の処方を行うべきではないとしている。
一方、持続的な発熱やその他の合併症状など、A群溶連菌咽頭炎が疑われる患者については、迅速検査または培養検査を推奨。A群溶連菌咽頭炎が確認された場合においてのみ、抗生物質で治療すべきとした。
また、合併症のない副鼻腔炎については、細菌感染であっても抗生物質を使用しなくても軽快すると説明。10日間以上続く発熱、3日連続で続く膿性鼻汁や顔面痛、および5日間継続する典型的なウイルス感染に続発する症状悪化が認められるまで、抗生物質は温存すべきとしている。
以前、知り合いの医師が話した、風邪に抗生物質を使う理由は、「もしも、肺炎を見逃して抗生物質を使わずに悪化した場合、訴えられると負ける。医師会は守ってくれない。」というものでした。
アメリカでは、再三同じような勧告が出されていますが、未だに”Acute respiratory tract infections are the most common reason for outpatient antibiotic prescriptions for adults”と書かれているので、同じような考えの医師が多いのでしょう(記事をみる)。
「不適切」と指摘されても、高齢者にはどうしても、「念のため」という感じになってしまうのだと思います。
コメント