PCSK9阻害剤「アリロクマブ」と「エヴォロクマブ」が続々承認、保険は大丈夫か?

PCSK9阻害薬がコレステロールを下げるメカニズムなどについては、本ブログでも何度か説明してきましたので関連記事をご覧ください。
欧州委員会、新コレステロール低下薬evolocumab(PCSK9阻害剤)承認
米FDA 初のPCSK9阻害剤・Praluentを承認
上の2つの記事に書かれているように、現在、サノフィ(フランス)のalirocumab(アリロクマブ、Praluent®)とアムジェン(アメリカ)のevolocumab(エヴォロクマブ、Repatha®)が激しく先陣を争っています。どちらの一般名もumabで終わっているのでヒトモノクローナル抗体であることがわかります。
PCSK9阻害薬alirocumab,日本人患者で60%以上のLDL-C低下
この記事にあるように、アリロクマブについては、日本でもサノフィが中心になって臨床試験が行われています。また、エヴォロクマブは、アステラスが日本での承認申請を行っています。
アメリカでは、”The U.S. WAC price of Praluent is $40 per day ($1,120 every 28 days) for both the 75 mg and 150 mg doses, making Praluent the lowest priced patient-administered monoclonal antibody therapy on an annualized basis. “と書かれているように、アリロクマブ(Praluent®)の価格がこれまでのモノクローナル医薬で最低に設定されていることが話題になっています(記事をみる)。
この価格設定は、サノフィが競争相手のアムジェンを意識すると同時に、広く普及しているスタチンのマーケットを狙っていることを示しています。モノクローナル抗体医薬で最低といっても、スタチンに比べれば圧倒的に高価です。これらの薬やC型肝炎治療薬、チェックポイント阻害薬などの高額医薬が次々に承認されると、医療費は急速に膨張することが予想されます。アメリカの保険会社や日本の保険制度はこれらの動きにどう対応するのでしょう?
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