あと数年で人の仕事の80%はAIが担うことができるようになる…AI研究の第一人者

人の仕事の80%はAIが担う 世界的研究者インタビュー以下は、記事の抜粋です。


人工知能(AI)研究の第一人者ベン・ゲーツェル(Ben Goertzel)氏は、AFPのインタビューに応じ、AIは数年後、人の仕事の80%を担うかもしれないが、それはいいことだとの見解を示した。

ベン・ゲーツェル氏とAIロボットの「デズデモーナ」。

数学者で認知科学者でもあり、ロボットクリエーターとしても知られるゲーツェル氏は現在、人の認知能力を持つAI「汎用人工知能(AGI)」を開発する研究グループ「シンギュラリティネット(SingularityNET)」のCEOを務めている。今月、AFPのインタビューに答えた。

■AIは人の知能に追いつくか

Q:人の認知能力を持つAIの開発はどこまで進んでいるのか?

A:機械が人と同じくらいの知能を持ち、未知のことにも即座に対応できるようになるには、学習やプログラミングを超える大きな飛躍が必要だ。私たちはまだ、そこまでは到達していない。だが、数十年後ではなく数年後には可能だと信じるだけの根拠はある。

■AIのリスク

Q:「チャットGPT(ChatGPT)」などのAIをめぐる議論やリスクについてどう思うか? 開発を半年間中断すべきだという声もあるが。

A:危険な超人的AIだと危険視して開発を中断すべきではない。超人AIのようなものはAIシステムとしては非常に興味深いが、人間のような汎用知能にはなり得ない。科学に必要とされる複雑な多段推論はできないからだ。学習したデータの範囲外の、奇抜な新しいものを発明することはできない。

誤った情報を広めることもあるので、開発を中断すべきだという意見もある。これはおかしな議論だ。それならなぜインターネットを禁止しないのだろうか。インターネットはまさにそうで、いつでもすぐに大量の情報を入手できるが、でたらめや偽情報も拡散している。

社会は自由であるべきだ。インターネットが禁止されるべきではないのと同じく、(チャットGPTも)禁止されるべきではない。

■雇用への脅威

Q:人の仕事に取って代わる可能性は脅威になるのでは?

A:AGIがなくても、人の仕事の80%くらいはなくなるのではないだろうか。チャットGPT単体ではそういうことは起きない。だが、そういったシステムも、数年もすれば出てくると思う。

脅威ではなく、有用だと私は思っている。私たちは生活のために働くのではなく、もっとやりがいのあることを見つけられるようになる。事務作業を伴う仕事のほぼすべては、自動化できるはずだ。

問題は、AIによって人の仕事がなくなっていく過渡期に存在する。すべての社会的な問題をどう解決すればいいのか私には分からない。

■AIのポジティブな面

Q:今の社会でロボットがやれることは? 今後AGIが実現したら、何ができるようになるのか。

A:AIで良いことがいろいろできる。

ウェブサミット・リオで紹介した(ロボット看護師の)「グレース」もその一例だ。米国では、入居者が孤独な生活を送っている高齢者施設も多い。医療サービスや食事が提供され、大画面のテレビもあり、体調は悪くないが、精神的・社会的な支援は十分ではない。

そこに人型ロボットを導入すれば、質問に答えてくれたり、話し相手になってくれたりする。子どもとの電話やオンライン注文も手伝ってくれるので、生活は向上する。AGIが実現すれば、その質はさらに上がる。

この場合、人の仕事が完全になくなるわけではない。看護師や看護助手のなり手はもともと不足しているからだ。

教育や家事の支援なども、人型ロボットが活躍できる素晴らしいマーケットになると思う。

■規制について

Q:AIがポジティブな影響を与えるには、どのような規制が必要なのか?

A:必要なのは、私たちで良いことをするAIを開発していくことだ。そして、AIのガバナンスに何らかの形でだれもが関われるようにすることも求められる。技術的にはどれも可能だ。問題は、AI研究のほぼすべてに資金提供をしている企業が、良いことをするのに無関心なことだ。彼らは株主の利益を最大化することにしか関心がない。


下線部が印象に残りました。ここ数年で世の中が大きく変わっていくと思います。

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