ビタミンBサプリは、男性の肺がんリスクを高める

シジミ、ニンニクの過剰摂取で男性の肺ガンリスクが上昇する!?
以下は、記事の抜粋です。


体に良いとみんなが思っているシジミやニンニク。実はこれらに含まれているビタミンの摂り方によっては恐ろしい結果を引き起こすと言うのだ。

ビタミンB6は筋肉などの材料になるタンパク質の合成や、アミノ酸の合成を促進し、B12は全身の細胞の代謝を助け、赤血球を形成、悪性貧血の予防や神経細胞の正常な働きを促すのだ。

ところが最近このB6やB12の過剰摂取が目立ち、大きな問題も生じているという。オハイオ州立大学がんセンターの疫学研究チームは、国立台湾大学と共同で、大量のビタミンB6、B12サプリメントの長期摂取が肺ガンに及ぼす影響を調査。7万7000人のデータを解析した。結果、従来、発ガンリスクを下げるものと考えられていたB6やB12だったが、長年多量に摂取を続けていると、男性の肺ガンリスクを2倍以上高めるようだ、と報告したのだ。そして男性喫煙者では、さらにリスクは3倍以上に高まるとも。ただし女性には変化は見られないともいう。

そして、このような過剰摂取がこれから懸念されるというその理由が怖い。それはサプリの取りすぎからきているというのだ。「薬屋さんが教える 健康食品にだまされない本」(エール出版社)他の著書でも知られる渡辺正司薬剤師がこう警告する。

「ビタミンB6は鮭、ます、シジミやニンニク、唐辛子などに、B12はシジミ、アカガイ、バイガイ、アサリなどの二枚貝に多く含まれている。しかし、最近この成分のサプリメントが猛烈に出回っている。1日2粒でシジミ500個分のオルニチンと謳う。当然ビタミンB6やB12も多く含まれている。ニンニクもしかり。摂りすぎですよ」


元論文のタイトルは、”Long-Term, Supplemental, One-Carbon Metabolism–Related Vitamin B Use in Relation to Lung Cancer Risk in the Vitamins and Lifestyle (VITAL) Cohort”です(論文をみる)。

論文の要約には、”use of vitamin B6 and B12 from individual supplement sources, but not from multivitamins, was associated with a 30% to 40% increase in lung cancer risk among men.”と書かれているので、マルチビタミン(総合ビタミン剤など)に含まれているものではなく、あくまで単剤のB6とB12 にリスクがあるようです。

ということで、記事のタイトルはミスリーディングです。おそらく、シジミやニンニクの食材をいくら食べても「臭い」が問題になるぐらいでしょう。

なお、関連記事に紹介したように、マルチビタミン剤にもリスクがあります。

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キャビアにはB12が多く含まれますが、いくら食べても肺がんリスクは上がらないと思います

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