「iPS細胞」続々実用化で薬いらずに? ―残念ながら、それはないと思います

「iPS細胞」続々実用化で薬いらずに? 製薬業界が戦々恐々
以下は、記事の抜粋です。


iPS細胞をめぐる研究成果が相次いでいる。一般紙の科学面に躍った見出しを見ると、生活習慣病から難病まで、ありとあらゆる病気が治りそうな気がしてくる。

iPS細胞は、心臓や目などあらゆる細胞に変化できる万能細胞で、臨床研究が進むのは目の網膜の再生治療だ。自分のiPS細胞が使われた1人目に続き、2人目は他人のiPS細胞が使われるという。

「iPS細胞研究の第一人者、山中伸弥教授率いる京大は、拒絶反応が起こりにくいタイプのiPS細胞を作って備蓄する『iPS細胞ストック事業』を始め、供給体制を整えています。この細胞を使えば、自分の細胞を使うより、費用も時間も節約できる。1人目の網膜治療は1億円かかったそうですが、ストック細胞なら1000万円で済み、治療期間は1年から半年に短縮できるとされているのです」(学会関係者)

日進月歩の研究成果に戦々恐々なのが製薬業界だ。

「あらゆる臓器の再生が可能になると、がん化した臓器をiPSで再生した臓器に置き換えたら、がんが治癒してしまうので、高額な抗がん剤が売れなくなります。もっと痛いのは、生活習慣病の薬への影響です。近い将来、糖尿病がiPS膵臓で治るようになることも考えられます。そうなると、死ぬまで服用するのが前提の血糖降下薬の売り上げが激減するかもしれません。iPS細胞は、あらゆる病気の薬を不要にする可能性を秘めていて、大手でさえうかうかできないのです」(業界関係者)


不治の病がiPS細胞を用いることで治療できるようになる可能性があることは認めますが、抗がん剤や血糖降下薬などの生活習慣病の薬物治療が、iPS細胞を用いた治療に置き換わることはありえないと思います。

以下に、その理由を列挙します。
1.iPS細胞をがんに応用する場合、臓器作成費用に外科手術費用、術後ケアの費用などが加わり、治療費は網膜の場合よりもはるかに高額になる。
2.iPS細胞で病気の臓器に代わる新しい臓器ができたとしても、がん細胞が転移している場合は、分子標的薬などによる別途治療が必要になる。
3.糖尿病治療の場合でも、血糖に反応してインスリンを適当に分泌してくれるすい臓を作成するコストは、薬物治療のコストをはるかに超えている。

日本の製薬業界のように、新薬で勝負していた業界が一番戦々恐々としているのは、特許切れとジェネリックへの切り替えです。講談社は週刊誌も日刊紙も、こんなヒドイ煽り記事を載せないと売れないぐらい困窮しているのでしょうか?

コメント

  1. ひめか より:

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    確かに治療方法が無い難病にとって一つの光だと思いますがそれだけでは不足だと思います。
    これからは薬剤との併用して治療が進むと思います。
    どう共存するのかが今後の課題になっていくと思います。

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