ストラディバリウスの表板の産地

バイオリンの名器、ストラディバリウスの表板の産地が特定されたようです。
以下は、記事の抜粋です。


最近の研究で、樹輪分析によりストラディバリウスの「黄金期」(18世紀初頭頃)の表板(響板)に使われた木材の多くが、イタリア北東部、トレンティーノ=アルト・アディジェ州のヴァル・ディ・フィエンメ(Val di Fiemme、フィエンメ渓谷)の高地で育ったドイツトウヒ(Norway Spruce, Picea abies)であることがかなり明確に特定されました。

場所: イタリアのドロミテ山脈にある谷で、Paneveggioの森などが特に有名。「バイオリンの森」とも呼ばれる地域です。ストラディバリ自身が木材を選びに訪れたという伝説もあります。

理由: 小氷期の厳しい気候で育ったため、年輪が密で密度が高く、音響特性に優れた木材になったとされます。ストラディバリは同じ木から複数の楽器に木材を使うほど、特定の森林を好んで選んでいたようです。

裏板・側板などは主にメイプル(楓)で、こちらもアルプス産などが使われましたが、表板のスプルースが特に音色に重要視されます。
この研究は長年の謎に一定の決着をつけた形で、従来の「東アルプス産」という広範な推定をより具体的に絞り込んだものです。現在も同地域の木材は高級弦楽器に使われています。


以下は、論文のハイライトです。

•アントニオ・ストラディバリ作のヴァイオリン284挺から採取された314の年輪系列が分析された。
•ストラディバリは、同じ木の木材を使って複数の楽器を作ることが多かった。
•響板用のトウヒ材は、標高の高い場所が原産地である。
•マウンダー極小期には厳しい気候条件によって樹木の成長が抑制された。
•ストラディバリウスは、黄金期には様々な産地の木材を使用していたが、最終的にはヴァル・ディ・フィエンメ産のトウヒ材をほぼ exclusively 使用するようになった。


建築用語辞書によると、「「スプルース」とは、アラスカからアメリカのカルフォルニア北部あたりまでに分布する、マツ科トウヒ属の針葉樹のこと。造作に使われることが多い木材で、白色の材色を持ち緻密な肌目が特徴。化粧材にも使われることが多く、ヒノキにも似たような見た目を持つが、まったく別の種類である。心材と辺材の色の差がほとんどなく、やわらかくて軽量なのも特徴と言える。スプルースのトウヒ属は、北半球には50種類も存在するが、全体的に美しい色を持つ物が多い。有名な物として、シトカスプルースがある。ログハウスの材料としても使われることが多く、輸入材としても人気が高い。飛行機にも使われることが多いことでも知られるが、楽器や耐朽性が求められない用途に用いられる。」だそうです。もちろん、ヨーロッパにも分布しているようです。日本には生えていない木であることがわかりました。

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