子宮頸がんを予防するワクチンの効果と世界的な取り組み

HPVワクチンが「子宮頸がん」予防にどれだけ効果的がわかるデータが公開される、「日本のメディア」名指し批判も
以下は、記事の抜粋です。


世界では、年間50万人以上の女性が子宮頸がんを発症し、30万人の女性が亡くなっています。世界規模の問題に関する科学的データを提供するサイト・Our World in Dataが、子宮頸がんの主な要因であるヒトパピローマウイルス(HPV)を予防するワクチンの効果や、世界的な取り組みの現状についてのデータをわかりやすいグラフやマップにまとめて公開しました(サイトをみる)。

HPVは、男性に多い中咽頭(ちゅういんとう)がんの原因になることが知られており、男性にとっても決して無関係ではないウイルスですが、子宮頸がんの90%以上がHPVによって引き起こされるなど、特に女性にとっては受胎能力や命を失うことにもつながる重大な問題です。

HPVワクチンは子宮頸がんの発生率を90%減少させることが示されており、世界には大規模なワクチン接種プログラムにより撲滅が目前になっている国もあります。

例えば、イギリスでは在学中にワクチン接種を受けた若い世代は、ほかの世代よりも子宮頸がんの発症率が劇的に低いことが報告されています。以下のグラフではそのことが示されており、ワクチン接種率が89%だった最年少のグループ(赤線)は最年長のグループ(青線)に比べて子宮頸がんの発生率(縦軸)は約87%も低かったとのことです。

G20を構成する世界の主要国19カ国の子宮頸がん発生率のグラフを見ると、残念ながら日本は欧米などに比べて子宮頸がんになる女性が多いことがわかります。

ワクチン接種が進まない問題を抱えた国の事例を、Our World in Dataはふたつ挙げています。ひとつは中国で、同国では一部の都市や地域でHPVワクチンが提供されるようになってきているものの、全国的には提供されていないとのこと。そのため、中国では全国的なワクチン接種率が非常に低く、2020年における中国のHPVワクチン接種率はわずか3%にとどまっているとの報告があります。

もうひとつの事例は日本で、「日本ではHPVワクチンが妊娠合併症に関連しているという不正確なメディア報道により、HPVワクチンが2013年から2021年まで中止されていました」と指摘しました。

HPVワクチンと副作用の関連性を調べた大規模調査では、ワクチン接種とリスクとの間に関連性が見られなかったとの結果が出ており、このような安全性の検証を経て、日本では2022年にHPVワクチンの接種が再開されています。

シドニー大学のケイト・T・シムズ氏らが実施したシミュレーションでは、若年層の男女で80~100%のワクチン接種率を達成し、成人にも追加接種を実施すれば、2100年までに子宮頸がんの症例を約5000万件予防できるとの結果が得られています。

Our World in Dataは、「HPVワクチン接種が広く普及し、子宮頸がん検診が定期的に行われている国では、既にがんの発生率が劇的に減少しており、これはHPVによる子宮頸がんは効果的に根絶できるということを実証しています。しかし、多くの国は出遅れており、ワクチンへのアクセスに障壁がある国もあれば、誤解が広がってしまったことで摂取率が低迷している国もあります。HPVワクチンは、一般的なタイプのがんを効果的に排除する貴重なチャンスですので、ワクチン接種と検査に投資することで、世界は毎年何十万人もの命を救い、避けられる悲劇を防ぎ、子宮頸がんを過去の病気にすることができるでしょう」と述べました。


日本のメディア(マスコミ)はHPVワクチンの副作用?については大騒ぎしたのに、安全性が確立して政府による接種の推奨が再開されたというニュースは小さくしかとりあげません。新型コロナウイルスワクチンについても副反応ばかりを報道しています。そのため、インフルエンザよりも15倍も死亡率が高い高齢者も接種を躊躇するヒトが多いです。

兵庫県知事の問題でも、センセーショナリズムで「嘘八百」を報道しながら、反省記事はありません。SNSは確かにピンからキリですが、マスメディアはセンセーショナリズムと政治的忖度というフィルターがかかっているので、アタマから信じてはいけないと思います。

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