痛風治療薬コルヒチンはCOVID-19の予後を改善しない

痛風治療薬コルヒチンはCOVID-19の予後を改善しない
以下は、記事の抜粋です。


痛風の治療薬であるコルヒチンは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療に有効性を示さないとする研究報告。インドのKedar Gautambhai Mehta氏らが行ったシステマティックレビューとメタ解析の結果であり、設定した評価項目の全てにおいて転帰改善が認められず、有害事象は有意に増加する可能性が示されたという。

コルヒチンは抗炎症作用を有する痛風治療薬。COVID-19重症化には過剰な炎症反応が関与しているため、コルヒチンの抗炎症作用がCOVID-19重症化抑制につながる可能性が期待され、これまでに複数の臨床試験が行われている。

文献検索で69報の論文がヒットし、このうち適格基準を満たす6件の無作為化比較試験をメタ解析の対象とした。それらの研究には合計1万6,148人のCOVID-19患者が参加していた。

メタ解析の結果、死亡率に関してはコルヒチン投与群と、支持療法のみを受けた対照群とで有意差が認められなかった。同様に、5件(参加者数の合計1万5,519人)の研究に基づく換気サポートを要するリスク、3件(220人)の研究に基づくICU入室リスク、および4件(1万1,560人)の研究に基づく入院期間にも有意差は見られなかった。

一方、3件の研究(4,665人)に基づく有害事象はコルヒチン投与群の方が有意に高頻度であり、特に下痢がコルヒチン投与群で多かった。重篤な有害事象は有意差がなかった。

これらの結果から、COVID-19の標準治療にコルヒチンを追加するメリットはないことが示唆された。


以下の関連記事で、コルヒチンがCOVID-19関連の合併症リスクを軽減する可能性などについて紹介してきましたが、メタ解析の結果が否定的なのでほぼその可能性はないと思います。

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