非常に弱いエビデンス、わずかな効果の機能性表示食品、買いますか?~制度開始3カ月で思うこと
以下は、記事の抜粋です。
機能性表示食品制度がはじまって3カ月。61製品の情報が消費者庁ウェブサイトで公表されている。3カ月たって、制度の包括的な感想を書いてみたい。一言で言えば、科学的根拠、すなわちエビデンスがずいぶんと弱い製品が出そろったものだなあ、という印象だ。
その効果は、トクホと同類のものも含め、論文を読む限りとても小さい。にもかかわらず、大きな効果があるように錯覚させる表示や広告宣伝が目立つ。
機能性表示といってもその程度のものだ、という理解が、消費者に求められているのだ。さらに、重要なのが研究の信頼性。発表バイアス(出版バイアス)はとくに要注意だ。これは、研究者自身や研究資金提供者にとってつごうのよい結果が出た研究が、そうでなかった研究よりも論文にされやすいという現象です。
ごくわずかな対象者数でやってみて結果が出た信頼性の低い論文が単独で、あるいは数編で根拠になってしまっている。しかも、「効果あり」となった方がお得な企業研究者による論文が目立つ。
以前の記事で、難消化性デキストリン(食物繊維)を含む「キリン メッツ コーラ」と「ペプシスペシャル」の「脂肪の吸収を抑える」エビデンスがいかに弱いか、さらにそのエビデンスが掲載されている論文の著者の大半が当該企業の社員であり発表バイアスがかかっている可能性が強いか、を紹介しました。
これらのコーラは、「機能性表示食品」よりも国の審査や許可が必要でより信頼できると多くの人々が信じている「特定保健用食品(トクホ)」です。
さて、機能性表示食品、買いますか?
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