塩分摂取と認知症リスク~メンデルランダム化研究
以下は、記事の抜粋です。
観察研究では、食事による塩分摂取と認知症の発症リスクに潜在的な関連性があることが示唆されている。しかし、これらの研究では、逆因果関係や残留交絡因子の課題が発生しやすい。中国・山西医科大学のKe Shi氏らは、塩分摂取と認知症リスクとの因果関係を調査するため、2サンプルメンデルランダム化(MR)研究を実施した。
食事による塩分摂取と認知症リスクとの因果関係を調査するため、MR研究にサマリー統計を組み込んだ。塩分摂取と全体的な認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症など、さまざまなタイプの認知症リスクとの因果関係を推定した。
主な結果は以下のとおり。
・欧州人を祖先に持つ人では、遺伝的に予測されたより高い塩分摂取量と全体的な認知症リスク増加についての関連性が示唆された(オッズ比:1.542、95%信頼区間:1.095~2.169、p=0.013)
・食事による塩分摂取量と全体的な認知症リスクとの因果関係は、統計手法の選択に関してロバストであり、広範の感度分析を通じて検証された。
・明らかな不均一性や多面発現性は認められなかった。
・食事による塩分摂取が、各認知症サブタイプのリスクに及ぼす因果関係を検出することはできなかった。
著者らは、「食事による塩分摂取量と認知症発症との有意な関連性が示唆された。この発見は、認知症予防に対する減塩の重要性を支持するものである」としている。
元論文のタイトルは、”Causal relationship between dietary salt intake and dementia risk: Mendelian randomization study(食塩摂取量と認知症リスクとの因果関係: メンデルランダム化研究)”です(論文をみる)。
塩分を多くとると認知症になり易いのか認知症になり易いヒトが塩分を多くとるのかは、まだ解決していないと思います。塩分→高血圧→脳血管障害→認知症ということなのでしょうか?
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