SLE治療薬Benlysta (belimumab)をFDAが承認

Benlysta Approved for Lupus

以前、関連記事で紹介したBenlysta (belimumab)をFDAが承認しました。以下は、記事の抜粋です。


3月9日、Benlysta (belimumab)は、米国FDAによってSLEの治療薬として承認された。SLE治療薬の承認はなんと1955年以来初めてだそうだ。

Benlysta注射薬は、SLEで特徴的な異常Bリンパ球において重要な働きをするBリンパ球刺激因子(B-lymphocyte stimulator、BLyS)を標的としている。SLEは自己免疫疾患で、病気と闘うはずのシステムが自分自身の健康な組織を攻撃する病気だ。

SLEは、15歳から44歳の女性に好発し、関節の痛みや腫脹、光線過敏、発熱、胸痛、脱毛、疲労などの症状が認められる。さらに、皮膚、腎臓、心臓、脳なども侵されることがある。FDAによると全米で約150万人の患者がいるという。白人よりも黒人の女性が罹患する頻度が約3倍高い。

Benlystaの安全性と効果は、1,684例の症例における臨床試験で確認された。FDAによると、Benlysta治療群はプラセボ群よりも症状が少なく、病気の再燃もより軽度であった。副作用としては、吐き気、下痢、発熱などが認められた。

しかし、黒人およびアフリカ由来の患者はこの新薬に対して反応が悪く、FDAはメーカーに対してこれらの患者に対する追加試験を行うように命じた。Benlystaは、マリーランド州RockvilleにあるHuman Genome Sciences社によって開発された。フィラデルフィアを基地とするGlaxoSmithKlineと共同でマーケティングされる予定である。


日本全体では、2~4万人のSLE患者さんがいると考えられています。米国での調査によると、上の記事にも書かれていますが、白人には比較的少なく、有色人種に多いといわれています。気になるのは、上記の「黒人およびアフリカ由来の患者はこの新薬に対して反応が悪い」という記載です。黄色人種に対する効果が気になります。

今回承認されたBenlysta (belimumab)が、副腎皮質ステロイドしか頼る薬がない現状を大きく変えてくれることを祈ります。Benlysta (belimumab)については下の関連記事をご覧ください。

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