世界初の高血圧症治療アプリの承認了承

世界初の高血圧症治療アプリの承認了承 4月正式承認へ 「行動変容を促して治療効果を発揮」
以下は、記事の抜粋です。


CureAppの佐竹社長は3月9日、厚労省内で記者会見し、世界初の高血圧症治療アプリ(一般的名称:高血圧症治療補助プログラム)がこの日の薬食審・プログラム医療機器調査会で承認が了承されたと報告した。同アプリは「成人の本態性高血圧症の治療補助」を使用目的とするもの。患者のスマートフォンにアプリをダウンロードし、医師の「処方」(処方コードの発行・入力)により使用する。アプリには日々測定する血圧値が自動入力されるほか、行動(運動)や食事などの情報は患者自身が入力。これにより個別化された指導メッセージや動画が毎日アプリに配信され、患者自身の行動変容を促し、生活習慣を改善することで降圧効果を発揮する。

正式承認は4月となる見通し。その後、同社は保険適用の手続きを進める。販売名は未定。

◎治療アプリでありながら「薬物療法とそん色ない有効性を示した」

佐竹社長は、「薬は薬理作用で治療効果を発揮するのに対し、治療アプリは患者の行動変容を促して治療効果を発揮するもの」と説明。治療アプリは降圧剤の服用の有無にかかわらず使用できることから、「スマホアプリを普段使っている高血圧症患者のすべてで治療アプリが使用できる。極めて広い適応で承認が了承された」と話した。

承認申請に用いた第3相臨床試験では、本態性高血圧症で治療中の20歳以上65歳未満の男女399例を対象に、介入群と対照群にランダムに割付け、治療効果を比較した。主要評価項目に据えた、24時間収縮期血圧のベースラインから12週後の変化の群間差はマイナス2.4mmHg(デジタル治療群:マイナス4.9mmHg、対照群:マイナス2.5mmHg)で、有意な降圧効果を示した。

調査会では、ABPMでマイナス2.4mmHgの臨床的意義が論点のひとつになった。脳心血管イベントの発症リスクを約10%低下させることと関係するとの説明がなされ、委員の納得を得た。

佐竹社長は、「治療アプリでありながら、薬物療法とそん色ない有効性を示した。薬物療法よりも安全性のリスクが少ないという面もあり、(治療アプリは)既存治療よりも優れた治療であると考える」と語った。

◎減塩、減量、運動など6項目の情報を個別化 患者に行動変容を促す情報を毎日配信

高血圧症治療アプリは患者用と医師用で構成される。患者アプリは、▽知識の習得▽行動の実践▽行動の習慣化▽動機付け――の機能を有し、医師アプリは患者指導の補助に用いる。

患者の行動変容を促す指標として、▽減塩▽減量▽運動▽睡眠▽ストレス管理▽節酒――の6項目が用意されている。患者が日々入力するデータをアプリに埋め込んだ独自のアルゴリズムで解析し、降圧効果に関係する個別化された情報が患者アプリに毎日配信される。習慣化に必要な取り組みをアプリから提示することで、患者に行動変容を促し、適正な血圧を維持する仕掛けとなる。血圧値は、市販のBluetooth対応の血圧計を用いることでアプリに自動転送される。

佐竹社長によると、例えば減塩が特に効果的と判定され、みそ汁を多く食べる患者に対しては、塩分と血圧に関するコンテンツとともに、みそ汁は具をメインに食べつつも、汁は一口飲んで終わりにする、といった内容が配信される。その実践結果も踏まえて、患者の習慣化により適した取り組みがアプリから提示される。

一方、医師アプリには、患者アプリで取得された情報が共有される。再診時の患者とのコミュニケーションが深まり、診療の質向上を期待する。


おもしろい試みだと思いますが、差がマイナス2.4mmHgぐらいで本当に使えるかどうかが問題だと思います。薬を飲むのはどうしても嫌というヒトには勧めても良いかもしれません。ただ、高血圧症にはあまり症状がないので、患者が行動変容にどれぐらい前向きに取り組んでくれるかが問題だと思います。

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