エーザイ、アルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」販売契約縮小 収益期待低く

エーザイ、「アデュヘルム」販売契約縮小 収益期待低く
以下は、記事の抜粋です。


エーザイは3月15日、米バイオジェンと共同開発するアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」について、2023年1月以降は共同開発・販売から手を引き、販売額に応じた収入を得る契約に切り替えると発表した。同治療薬は米国で条件付き承認を取得したが、有効性への疑義などから普及が進んでいない。

アデュヘルムは21年6月に米食品医薬品局(FDA)が条件付きで承認。アルツハイマー病の進行抑制が期待できる世界で初めての治療薬とされたが、有効性への疑問などが指摘され、普及が進んでいない。欧州と日本では同年12月にそれぞれ承認判断が見送られ、実用化のめどは立っていない。

エーザイの内藤晴夫最高経営責任者は15日、「価値最大化のためにバイオジェンとの役割分担を明確にした」と指摘。「社会的なインパクトの大きいレカネマブの実用化に向けてエーザイが集中する体制を整える」と話した。レカネマブはエーザイが07年から研究開発を進め、承認申請手続きも主導。米国ですでに迅速承認の申請を始めている。


アデュヘルムは、アルツハイマー病の原因と考えられているタンパク質「アミロイドβ」を標的とする抗体医薬で、アミロイドβを脳内から除去することによって認知機能の低下を抑えるとされます。

レカネマブは、可溶性のアミロイドβ(Aβ)凝集体(プロトフィブリル)に対するヒト化モノクローナル抗体です。レカネマブは、アルツハイマー病を惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有するAβプロトフィブリルに選択的に結合して無毒化し、脳内からこれを除去することでADの病態進行を抑制する疾患修飾作用が示唆されています。

今までアミロイドβそのものを標的とする抗アルツハイマー病治療薬は、ほとんどすべて失敗でした。レカネマブの他にも米イーライリリーが、N3pGと呼ばれる修飾型アミロイドβを標的とする抗体医薬ドナネマブの開発が進められています。今後の進展に注目したいと思います。

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