胃で出血があっても現行の便潜血検査では陰性になる

便潜血検査は、健診で広く行われている検査ですが、胃からの出血の場合には陰性になる場合があることはあまり知られていないようです。例えば、以下のサイトでは陽性の場合は消化管全体での出血に反応するように書かれています。これを信じると胃からの出血を見逃す可能性があります。
便潜血陽性

以下のサイトには正しい説明がありました。要点を抜粋して紹介します。

便潜血検査について:化学的方法と免疫学的方法

化学的方法は、以前から用いられてきた方法です。赤血球中のヘムが持つペルオキシダーゼ様作用を検出します。ヘムと同様のペルオキシダーゼ様作用を持つ、肉や魚料理などに含まれる血液や鉄剤、ミオグロビン、緑黄色野菜にも反応し陽性となってしまい、偽陽性反応が問題となります。

一方、免疫学的方法は、ヒトヘモグロビンに対する抗体を用いて潜血の有無を検出する方法で、肉や魚の血液には反応しません。つまり、人間の潜血のみに特有に反応します。胃酸や腸液などの消化液により、ヘモグロビンが変性する食道や胃などの上部消化管からの出血は検出されず、大腸からの出血のみを検出します。現在の便潜血検査は、免疫学的方法が行われています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました