パッチを貼るだけのインフルワクチン、安全性と抗原性を確認

インフルエンザワクチンパッチ、P1試験で安全性と有効性を確認

以下は、記事の抜粋です。


インフルエンザワクチンパッチは絆創膏ほどのサイズで、皮膚を貫通する程度の長さの極めて微小な針(マイクロニードル)が100本付いており、針は皮膚内で溶解するという。

18~49歳の男女100人を、(1)医療従事者がマイクロニードルパッチを貼って不活化インフルエンザワクチンを接種する群、(2)医療従事者が筋肉注射により同ワクチンを接種する群、(3)医療従事者がパッチを貼ってプラセボを接種する群、(4)被験者自身がパッチを貼ってワクチンを接種する群の4群にランダムに割り付けた。

その結果、パッチ群では筋肉注射群と同程度の免疫応答が誘導されることが示された。この効果は被験者が自分でパッチを貼った場合でも同様に認められた。一方、重篤な副作用はみられず、発赤や軽度のかゆみなどの局所的な皮膚反応が認められたが、2~3日で消失した。


元論文のタイトルは、”The safety, immunogenicity, and acceptability of inactivated influenza vaccine delivered by microneedle patch (TIV-MNP 2015): a randomised, partly blinded, placebo-controlled, phase 1 trial”です(論文をみる)。

「第1相試験」という開発の初期段階の試験ですが、パッチの安全性と十分な抗体産生が確認されたそうです。痛みがない点やワクチン接種の希望者にパッチを郵送し、自分で接種してもらえる可能性や、インフルエンザ以外のワクチンにもこの技術を応用できる可能性、さらに、このパッチは冷蔵保存の必要がなく、使用期限が長いなど、注目に値する論文だと思います。

Bye-Bye Flu Shot, Hello Patch?がHealth Dayの元記事です。

パッチワクチンの写真

コメント

  1. あ* より:

    これは朗報です。インフルエンザワクチンの接種だけのために医療機関に行って、ほかの病気の人と遭遇して感染症に罹患したりするリスクも回避できるので、実用化されると良いと思いました。

    ところで、研究資金の出処は、NIHでした。流石ですね。

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