痛風予備軍に朗報? 尿酸値下げる初めてのサプリ
批判記事なので全文を転載します。
ファンケルが18日売り出したサプリメント「尿酸サポート」は、尿酸に対する機能を臨床試験で確認した初めての機能性表示食品という。血中の尿酸値が高めの人向けに、尿酸の合成を抑えて排出を促す物質などを配合。手軽さをアピールして痛風予備軍に売り込む。
尿酸の合成を抑えて排出を促すとされるアンペロプシンと、尿酸の元になるプリン体の吸収を抑えるとされるキトサンを配合。血中の尿酸値が1デシリットル当たり6・0~7・0ミリグラムの人に有効と説明している。
臨床試験では、尿酸値6・0~7・0ミリグラムの男性39人がこの商品を3カ月摂取したところ、摂取前より平均で約0・15ミリグラム、尿酸値が下がったという。
120粒入り(30日分)で定価3600円(税抜き)。当初は同社の通販サイトだけで販売するが、4月18日から一般の店でも取り扱う。
尿酸値は酒や魚卵などをとりすぎると高くなるとされ、激しい関節痛を起こす痛風などになるおそれがある。国民生活基礎調査などによると、1995年に50万人弱だった国内の痛風患者は、2013年に100万人を突破した。
従来のサプリメントには尿酸に有効なものもあるが、機能を明示した商品はこれまでなかった。酒類では、プリン体オフをうたう商品が多い。
まず最初に、これがファンケルの広告ではなく、朝日新聞の記事であることに驚きました。これが記事だとすれば、読者を欺く新聞社としての良識を欠いた記事です。
記事では「尿酸に対する機能を臨床試験で確認した初めての機能性表示食品」と書いていますが、根拠になる論文を調べたのでしょうか?
「臨床試験では、尿酸値6・0~7・0ミリグラムの男性39人がこの商品を3カ月摂取したところ、摂取前より平均で約0・15ミリグラム、尿酸値が下がったという。」と書かれていますが、一般にバラつきの多いヒトのデータで、39人という少数の対象の場合、3%未満の尿酸値の減少が統計的に有意になるはずはありません。厚労省ではないですが、操作があると思われます。
また、そのデータが発表されている論文は「薬理と治療」という雑誌に発表されています(論文をみる)。以前、ディオバン®の臨床試験論文などで、ノバルティスの社員が著者に入っていて「利益相反」が問題になったことがありますが、この論文の著者は全員、(株)ファンケルの社員あるいは関係者のようです。
健康食品が、病気の治療や予防、身体機能の増強・増進を目的とする効能効果をうたった場合(暗示的な表現含む)には、薬機法(2014年に「薬事法」から改正)違反になるはずですが、朝日新聞はこんなこともチェックできないのでしょうか?騙されないようにしましょう。
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