GLP-1放出を促す食品添加物: Inulin-propionate ester (IPE)

GLP-1放出を促す食品添加物を欧州が許可
以下は、記事の抜粋です。


GLP-1などの食欲/摂食抑制ホルモンの放出を促す食品添加物を欧州連合(EU)が承認しました。

食べても安全と判断されて承認されたのは、英国の研究チームが考案した食物繊維の類いのイヌリン-プロピオン酸エステル(IPE)です。EUの新規食品一覧(list of novel food)に加わり、販売できるようになりました。

IPEは大腸の細菌の発酵作用で生じる短鎖脂肪酸(SCFA)のプロピオン酸と主に果糖でできた天然ポリマーのイヌリンのエステル結合で作られます。イヌリンは多くの植物に含まれ、サプリメントとして広く使用されてもいます。

食物繊維の多くは小腸では消化されず、大腸の細菌がそれらを発酵してSCFAを生み出します。SCFAは遊離脂肪酸受容体(FFAR)を活性化し、大腸のL細胞からのGLP-1ともう1つの食欲抑制ホルモンであるペプチドYY(PYY)の放出を促します。加えて、SCFAは脂肪細胞からのレプチン放出も後押しします。レプチンもGLP-1やPYYと同様に食欲抑制を担います。

マウスでの検討でSCFAの1つのプロピオン酸が多いことと体脂肪量が少ないことの関連が示されています。プロピオン酸は、FFAR受容体の1つのGPR41にSCFAの中で最も親和性が高いことがマウスでの検討で示されています。実際、プロピオン酸の投与はマウスのエネルギー消費を促進しました。

大腸のプロピオン酸を増やすことは食欲制御手段となりそうですが、プロピオン酸を摂取しただけではその効果は得られません。というのもSCFAは大腸のL細胞に届く前に小腸に吸収されてしまうからです。

そこで考案されたのがプロピオン酸と食物繊維のイヌリンを繋いだIPEです。IPEのプロピオン酸の大部分は大腸の細菌がイヌリン部分を発酵することで放出されます。

40~65歳の過体重の60例の無作為化試験でIPEの目当ての効果が示されています。1日当たり10gのIPE摂取が血中のGLP-1やPYYを増やし、少食にし、体重増加を抑えました。ベースラインに比べて5%以上の体重増加は6ヵ月のIPE投与では一例もいませんでしたが(0/25例)、ただのイヌリン投与では2割弱の17%(4/24例)にみられました。

IPE入りの食品が間違いなく向こう1年以内にEUの市場にお目見えするだろうとMorrison氏は言っています。


ヒトで効果があったという論文のタイトルは、”Effects of targeted delivery of propionate to the human colon on appetite regulation, body weight maintenance and adiposity in overweight adults.(太りすぎの成人の食欲調節、体重維持および肥満に対するプロピオン酸の標的送達のヒト結腸への影響。)です(論文をみる)。

薬と同様、GLP-1関連のサプリや健康食品もどんどん出てきそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました