てんかん新薬承認へ エーザイ、国内勢27年ぶり
以下は、記事の抜粋です。
エーザイのてんかん治療薬「フィコンパ」が3月中にも厚生労働省から製造販売承認を得られる見通しとなった。すでに同省の薬事・食品衛生審議会の部会で承認する方針が了承されている。
神経が過度に興奮することを抑える新たな仕組みを取り入れたのが特徴で、日本の製薬会社がてんかん治療の新薬を国内で出すのは27年ぶりになる。
記事では「フィコンパ®」となっていますが、「ファイコンパ®」の方が検索では多いようです。横文字ではFycompa®です。一般名は、ペランパネルで、グルタミン酸という神経伝達物質のAMPA型受容体の拮抗的阻害薬です。
これまでの抗てんかん薬とは異なる作用機序なので、大型新薬(ブロックバスター)候補としてかなり期待されていたようです。実際、2012年には欧州委員会から承認を取得し、2014年にはアメリカでも発売され、順調に売り上げを伸ばしていました。
ところが、2013年、ヨーロッパの中心市場であるドイツで販売が中止されました。
ドイツでは、欧州で承認され、発売された新薬に対し、1年間は製薬会社が希望する自由価格で販売できるが、1年後にはドイツ連邦合同委員会(G-BA)が、新薬としての価値を価格面で優遇するか否か(追加有用性)を評価して正式な薬価が決まるそうです。そこで、ファイコンパに下された判断は、追加有用性なし。つまり、価格優遇する価値がないとの決定されました。この決定に対し、エーザイは、再申請するために販売を中断したそうです。その後の経過はネットではわかりませんでした。
ドイツでも製薬業界に対する医療費削減の圧力は高まる一方だそうです。当初はパーキンソン病治療薬として開発された薬理学的には大変興味深い薬物ですが、製薬市場の厳しい状況を考えると「ブロックバスター」には程遠いようです。
コメント
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以前は予防的に抗てんかん薬を使用していた歴史があります。
最近では予防的に抗てんかん薬を使用する事をやめた病院や医師が増えました。理由は副作用の問題です。どの薬も副作用がありますが抗てんかん薬は服用してしばらくして出る事が多いですが減量、中止が難しくだから安易に使われなくなった。
新薬の開発となれば多分10年位研究したのは?その間抗てんかん薬への考えが変わってしまった可能性があると思います。