スマホやPCのブルーライトが老化を早める可能性

スマホやPCのブルーライトが老化を早める可能性
以下は、記事の抜粋です。


スマートフォン、パソコン、照明器具などが発するブルーライト(青色光)に日常的に曝露すると、たとえその光が眼に届いていなくても、老化が早まる可能性があることが、昆虫を用いた研究で示された。

Jaga Giebultowicz氏らによると、発光ダイオード(LED)が発するブルーライトは、網膜だけでなく脳細胞にも損傷を与える可能性があるという。

LED照明や電子機器の利用が普及するにつれ、ヒトのブルーライトの曝露は増大の一途をたどっている。しかし、生涯にわたるブルーライトの影響については分かっていない。Giebultowicz氏らは、キイロショウジョウバエ(以下、ハエ)を用いて、その影響を調べる研究を行った。

その結果、毎日12時間ブルーライトを浴び、12時間暗闇の中で過ごしたハエでは、暗闇の中だけで過ごしたハエやブルーライトをカットした光の中で過ごしたハエに比べて寿命が有意に短いことが分かった。

また、ブルーライトを浴びたハエでは、網膜細胞と脳の神経細胞に損傷がみられ、壁をよじ登る能力も低下していた。眼のない突然変異体を実験に用いた場合でも、ブルーライトに曝露すると脳の神経細胞の損傷が認められ、運動機能も低下していた。

このことから、脳の神経細胞の損傷や運動機能の低下は網膜の変性とは関係なく生じている可能性があると研究グループは指摘している。

さらに、ブルーライトに曝され続けると、老いたハエではストレス応答遺伝子が発現することが明らかになった。この発現は若いハエでは認められなかったことから、研究グループは老化の過程で光の累積曝露量がストレスとして作用するとの見方を示している。

Giebultowicz氏らは、「ブルーライトを含まない光でもハエの寿命をわずかに縮めるが、ブルーライトだけで寿命が劇的に短縮することは明らかだった」と述べている。


元論文のタイトルは、”Daily blue-light exposure shortens lifespan and causes brain
neurodegeneration in Drosophila”です(論文をみる)。

ハエは脊椎動物とは異なり複眼を持つ生物なので、この実験からヒトでもLEDのブルーライトが寿命を縮めるかどうかは何とも言えません。ただ、眼の見えないミュータントを使っても同じ結果が得られたことや他の色では効果が少なかったことなどとても興味深い結果です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました