入浴中の居眠りは危険…失神寸前の状態に陥っていると識者が指摘
以下は、記事の抜粋です。
3月3日放送の「中居正広のミになる図書館」で、入浴中の居眠りは危険だと、専門家が指摘した。
国際医療福祉大学の前田眞治教授によれば、お風呂でウトウトするのは眠気ではなく、失神寸前の状態なのだという。肩まで入浴すると、水圧で心臓が押されて血圧が落ち、頭の神経が働かなくなるために、失神寸前になるそうだ。
また、その失神状態は非常に危ない状態だと前田教授は指摘し、「お湯に沈み込んだまま亡くなる人は、交通事故死よりも多い」と衝撃的な事実を述べた。
前田教授によれば、40~41℃のお湯に10~15分程度つかるのが入浴時の目安とのこと。眠気をもよおしたらすぐに浴槽から出たほうがいいということだ。
私は入浴中に居眠りをしたことがあるので、心配になって上の記事の真偽について少し調べてみました。
「健康長寿ネット」の「入浴事故 【入浴中の心臓停止、脳血管障害、溺水、溺死】」をみると、確かに「入浴中の死亡事故は年々増加傾向にあり(年間約14,000人)、交通事故死(年間約10,000人前後)よりも多くみられます。」と書かれています(記事をみる)。これは正しいようです。
しかし、上の記事だと入浴中の死亡の大半の原因が居眠りによるもののように書かれていますが、大阪府三島救急医療センターの森田名誉所長の「高齢者が入浴するに当たっての注意」によると、「1994年の東京都監察医務院の調査では、入浴中に突然死した564人のうち464人(82%)は心筋梗塞や脳卒中、動脈瘤破裂など高血圧や動脈硬化に起因する急病による死亡でした。」と書かれています。
また、血圧については、「42℃以上の熱めのお湯に入った場合には、入浴後1~2分で血管が収縮して血圧は急上昇します。動脈硬化や高血圧の人などにとって危険なのは、お湯に入った直後、急激に血圧が上昇するために、脳出血をおこしたり、心臓に負担がかかり心臓発作をきたす場合があります。さらに入浴を続けますと、約5分後には今度は徐々に血圧は下がってきます。血圧が下がるとめまいをおこしたり、入浴によって大量に汗をかくため、血液中の水分が減って血液の粘り気が増し、動脈硬化で内腔が狭くなった血管は詰まりやすくなり脳梗塞や心筋梗塞の危険性が出てきます。(ブログ著者抜粋)」と書かれています。
下の図に示された年齢や季節別の入浴事故の死亡発生率をみても、大半の原因が居眠りによるものでないことは明らかです。居眠りももちろん危険ですが、脱衣場を暖かくすることやお湯の温度を上げ過ぎないことの方が重要だと思います。
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