新規3剤配合降圧薬は、2剤併用より有効だった。

新規3剤配合降圧薬GMRx2、2剤併用より有効
以下は、記事の抜粋です。


テルミサルタン、アムロジピン、インダパミドの新規3剤配合降圧薬GMRx2は、2剤併用薬と比較して臨床的に意義のある降圧をもたらし、忍容性も良好であった。ニューサウスウェールズ大学のAnthony Rodgers氏らが、83施設で実施した無作為化二重盲検実薬対照比較試験の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「GMRx2は血圧管理の新たな治療選択肢であり、臨床診療における血圧コントロールの大きな改善をもたらす可能性がある」とまとめている。

2021年7月9日~2023年9月1日に、2,244例が導入期に登録され、このうち1,385例が4群に無作為に割り付けられた(GMRx2群551例、テルミサルタン+インダパミド群276例、テルミサルタン+アムロジピン群282例、アムロジピン+インダパミド群276例)。患者背景は、平均(±SD)年齢59±11歳、女性712例(51%)、男性673例(48.6%)、無作為化された患者のスクリーニング時の平均血圧は142/85mmHgであった。GMRx2半量の導入期後、無作為化時の平均血圧は医療機関で133/81mmHg、家庭で129/78mmHgであった。

12週時の家庭収縮期血圧平均値はGMRx2群が126mmHgであり、各2剤併用群より有意に低かった。主要アウトカムであるベースラインから12週時までの収縮期血圧の平均変化量の群間差は、対テルミサルタン+インダパミド群で-2.5mmHg、対テルミサルタン+アムロジピン群で-5.4mmHg、対アムロジピン+インダパミド群で-4.4mmHgであった。

同様に、医療機関で測定した収縮期血圧/拡張期血圧の変化量の差はそれぞれ-4.3/-3.5mmHg、-5.6/-3.7mmHg、-6.3/-4.5mmHgであった。

12週時の140/90mmHg未満の血圧コントロール達成率はGMRx2群74%、テルミサルタン+インダパミド群61%、テルミサルタン+アムロジピン群61%、アムロジピン+インダパミド群53%であり、GMRx2群で有意に高値であった。

有害事象による治療中止はGMRx2群で11例(2%)、テルミサルタン+インダパミド群で4例(1%)、テルミサルタン+アムロジピン群で3例(1%)、アムロジピン+インダパミド群で4例(1%)にみられたが、いずれも統計学的有意差はなかった。


結論として降圧薬の効果は1剤<2剤<3剤ということでしょうか?調べたところ、日本で売られている3剤配合降圧薬は「ミカトリオ」というテルミサルタン80mg、アムロジピンベシル酸塩6.93mg(アムロジピンとして5mg)、ヒドロクロロチアジド12.5mgだけのようです。

インダパミドは日本ではナトリックスという商品名で売られているヒドロクロロチアジド作用機序が良く似た利尿薬で、遠位曲尿細管でNa-CLトランスポーター阻害によりNa排泄が増加し、下流の接合尿 細管でNaおよびKチャネルを介したNaとKの交換により、最終的にK排泄を伴ってNa排泄が 増加すると考えられている薬物です。

SGLT2阻害薬と利尿薬を併用すると、過度の脱水や血圧低下を引き起こす可能性があるため、避けるべきとされているので、糖尿病などでSGLT2阻害薬を使いたい場合の高血圧には使いにくいかもしれません。

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