実臨床のスタチン、ロスバスタチン(クレストール®)vs.アトルバスタチン(リピトール®)

実臨床のスタチン、ロスバスタチンvs.アトルバスタチン
どちらかと言うと、私用のメモです。以下は、記事の抜粋です。


ストロングスタチンに分類されるロスバスタチンとアトルバスタチンは、実臨床で広く用いられているが、実臨床におけるエビデンスは限られている。そこで、Shiyu Zhou氏らの研究グループは、中国および英国のデータベースを用いて、両薬剤の有効性・安全性を比較した。その結果、ロスバスタチンはアトルバスタチンと比較して全死亡、主要心血管イベント、肝重症有害事象のリスクをわずかに低下させることが示唆された。

本研究では、China Renal Data System(CRDS)およびUKバイオバンクのデータベースを用いて、ロスバスタチンまたはアトルバスタチンが処方された成人患者28万5,680例を抽出した。

主な結果は以下のとおり。

・6年間の全死亡率(100人年当たり)は、ロスバスタチン群がアトルバスタチン群よりも低かった(CRDS:2.57 vs.2.83、UKバイオバンク:0.66 vs.0.90)。
・累積全死亡率の群間差(ロスバスタチン群-アトルバスタチン群)はCRDSでは-1.03%、UKバイオバンクでは-1.38%であり、ロスバスタチン群が低かった。
・両データベースの対象患者において、ロスバスタチン群はアトルバスタチン群と比較して、主要心血管イベントと肝重症有害事象のリスクが低かった。
・UKバイオバンクの対象患者において、ロスバスタチン群はアトルバスタチン群と比較して、2型糖尿病発症リスクが高かった。慢性腎臓病発症リスクや、その他のスタチンに関連する有害作用のリスクは同程度であった。


元論文のタイトルは、「アトルバスタチンとロスバスタチンの有効性と安全性の比較:多データベースコホート研究」です(論文をみる)。

私の場合、アトルバスタチンで肝機能が悪化したことがあるので、軽症のヒトにはプラバスタチン(メバロチン®)、重症の場合はロスバスタチンを使っています。この記事をみて、それで良かったかなと思っています。

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