肥満症治療剤ロカルセリン(lorcaserin):諮問委員会がFDA承認の非推奨を採択

lorcaserinに関するFDA諮問委員会の結果を発表
以下は、記事の抜粋です。


エーザイは、米国で審査中の肥満症治療剤ロカルセリン(lorcaserin)に関して、9月16日に開催された米国食品医薬品局(FDA) 内分泌/代謝薬・諮問委員会(Endocrinologic and Metabolic Drugs Advisory Committee)が、本剤について、長期使用においてベネフィットがリスクを上回らないとの観点からFDA承認の非推奨を採択した、と発表しました。(反対:9、賛成:5、棄権:0)
本剤は、米国子会社であるエーザイ・インクが、米国アリーナ社のスイス子会社と、米国における独占的販売供給契約を締結したものです。肥満症の患者様(BMI≧30)、又は1つ以上の合併症を有する過体重の患者様(BMI≧27)の、体重減少を含む肥満症治療剤をめざす、アリーナ社創製の新規化合物です。


関連記事で紹介したロルカセリンのFDA承認が危なくなってきました。ラットを用いた動物実験で乳がんの発生リスクが指摘されたことと、体重減少効果が弱いことがその理由のようです。発がんの可能性は、今週になって初めて公開されました。これらの結果を受けてアリーナ社の株価は約半分に暴落しました。

今回の採択は、FDAの設定している肥満症治療薬目標が極めて高いことを示しており、ロルカセリン以外には注目すべき薬物を持たないアリーナ社だけでなく、他の肥満症治療薬開発メーカーにとっても厳しい結果だと思われます。肥満症治療薬を開発している他の2社の株も下落したそうです。

FDAの最終決定は10月22日までに下されますが、諮問委員会の決定に従うと思われます。FDAが今回承認しない場合、ロルカセリンの発売までには少なくとも2年以上かかるだろうと予想されています。具体的には、糖尿病や心疾患患者における効果や安全性、ヒトにおける発がんの可能性などを調べる必要があると思われます。

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