「日本で魚が獲れない理由」を知った小学生の驚愕…よくある大人の反論「外国船・海水温上昇・クジラ」
以下は、記事の抜粋です。
日本の海では、サケ、スルメイカ、シシャモ、サンマ、サバをはじめ、ほぼあらゆる魚種で資源量も漁獲量も減少が止まりません。世界全体では、過去最大の更新が続くのに対し、日本では2023年に372万トンとさらに生産量(漁獲量と養殖量の合計)は過去最低を更新しています。
一般的に水産資源管理の話をすると3点セットのように「特に外国船・中国が悪い」「魚が減ったのは海水温上昇のせい」「クジラが食べてしまう」という反論が来るものです。マスコミもそのように報道しているという面があるのですが、誤った情報を基に対策をしてもよくなることはありません。
次のグラフは、外国船が侵入してこない瀬戸内海の漁獲量が、日本全体の漁獲量の減少傾向とほぼ同じであることを示しています。これ以外にも北海道のスケトウダラのケースで明確なエビデンスがあります。
また、世界で日本の海の周りだけ海水温が上昇しているわけではありません。また海水温上昇は100年で0.5度くらいです。5度とかではありません。海水温上昇は、皆さんの感覚よりはるかに幅は小さく、かつゆっくりです。温度の上昇スピードが少し早い北大西洋のほうが、日本が属する北太平洋より、資源状態は圧倒的に良好です。
クジラの中でも数が多いミンククジラの数は、北太平洋より北大西洋のほうが10倍弱も多いです。しかしながら、クジラが多くても北太平洋より、北大西洋のほうが、サバ、ニシン、マダラ、クロマグロをはじめ資源量が多く、サイズが大きいのが現実です。
科学的根拠に基づく「数量管理」ができていない
次の表は、2022年と2012年と、2022年と2021年の生産量を比較したものです(みにくいのは元々の解像度が低いためですbyブログ筆者)。日本で効果がある資源管理ができているのは、ホタテガイくらいで2割弱しかなく、他は大幅に減少しています。多くが週1日漁を休むといった科学的根拠に基づく「数量管理」を行っていない資源管理の結果です。
マイワシの生産量は10年前に比べて大きく増えていますが、周期があるためそう遠くないうちに減少に転じてしまいます。
日本の水産資源管理の実態に対して、「そんなわけない!」「ちゃんと考えられてとっているはずだ」「それは偏った意見だ」といった考えを持っている方は、少なくないと思います。こういった先入観は、北海道だけでなく全国に蔓延していることでしょう。この先入観こそが、日本の水産資源を回復させるにあたっての元凶であると思料します。
ノルウェーも1960年代前後にニシンの資源を乱獲で崩壊させてしまいました。しかし、補助金を使って減船を実施し、合わせて約20年間漁獲を我慢することで、今では資源は大幅に回復しています。
何度も同じことを書いていますが、科学的根拠に基づく「数量管理」ができていない以上、堕ちるところまで堕ちるしかないような、、、
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