関節リウマチ、原因分子特定 治療法に期待 京大など
以下は、会員以外にも公開されている記事の一部です。
関節の炎症で腫れや痛みが出る関節リウマチを引き起こす原因分子を京都大などのグループが初めて見つけた。関節リウマチは、体内の分子を免疫細胞が「外敵」とみなして炎症を引き起こすが、どの分子が標的なのかはよくわかっていなかった。原因の解明が進めば、根本的な治療につながる可能性がある。
マイナビニュースにもう少し詳しい記事があります(記事をみる)。以下は、マイナビニュースの抜粋です。
特定のT細胞受容体をもつマウスでは、自己免疫性関節炎を自然に起こしたため、その自己反応性T細胞が関節炎の原因となることがわかったという。さらに、このマウスの血液中に産生される自己抗体を利用して、その自己反応性T細胞が認識する自己抗原「RPL23A分子」を同定することに成功した。
また、同大学附属病院リウマチセンターに通院中の関節リウマチ患者さんの血清を調べたところ、16.8%(374名中64名)がこの抗原に対する抗体をもち、実際にヒトにおいても「RPL23A分子」が免疫反応を引き起こすことを確認したという。
また、元論文のタイトルは、”Detection of T cell responses to a ubiquitous cellular protein in autoimmune disease”です(論文をみる)。
これらをまとめると、「マウスで自己免疫性の関節炎をおこす抗原を同定した。その抗原に反応するT細胞を関節リウマチ患者の17%でみつけた」という話です。非常にパワフルな解析法を開発して、自己免疫性関節炎の原因抗原の1つを同定したことは間違いないですが、これで、「関節リウマチ、原因分子特定」とはちょっと書き過ぎです。
原因分子とされる「RPL23A分子」は、タンパク質合成を触媒するリボゾームとよばれる複合体を形成するタンパク質の1つで、身体の中に非常に多く存在するタンパク質です。どうして関節炎が発症するのか?リボゾームの他のサブユニットは原因分子になるのか?などなど疑問は尽きません。
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