科学が教える猛暑対策、灼熱の砂漠の民がなぜ黒い服を着るのか他
以下は、記事の抜粋です。
汗をかいて体温を下げる体に備わった自然の冷却システム(生理的なクーラー)を有効に保つために、水分を十分に取ることだが、やれることは他にもある。
薄着は果たして正解か?直射日光を徹底的に避けられるのであれば、薄着はいい。しかし肌が直接日差しを浴びると日焼けを起こし、体もほてり、不快感の原因となる。
1980年に学術誌「ネイチャー」に発表された「灼熱の砂漠でベドウィン族がなぜ黒いローブを着ているのか」という研究では、黒い生地が太陽の熱を余計に吸収していても、ゆったりとした黒いローブでは服の内側でより対流が起こるおかげで、皮膚の部分の温度は白も黒も変わらないことが明らかになった。むしろ、黒いローブのほうが対流が強い分、快適かもしれないという。また、黒のほうが白より有害な紫外線を通しにくいという一面もある。
太陽が出ている間は日陰に入る。これは暑い日を涼しく過ごす上で重要なポイントだ。暑い日に通りを歩くときはビルで陰ができている側を歩いたり、つば広の帽子をかぶったりするといいだろう。
携帯扇風機は?WHOなどは気温が35℃を超えると扇風機の効果は薄いと警告している。気温が高い中で扇風機を回しても、オーブンの扉を開けた時のような熱い空気が当たるだけで、それを裏付ける研究も複数ある。しかし、2019年8月に医学誌「Annals of Internal Medicine」に発表された論文によると、気温が高くても湿度が高ければ、体温を下げる皮膚の汗やその他の水分の蒸発が扇風機によって促されるという。
読売などの大手メディアは、「気温が30度を超える晴れた日の屋外や、冷房していない屋内で携帯扇風機を使うと、熱風を体に当てることになり、かえって熱中症のリスクを高める懸念があるんです。」などと報道しています(記事をみる)。これはおそらく、WHOの発表をそのまま使っているのだと思いますが、日本の夏は非常に多湿なので、あてはまらない場合もありそうです。
ベドウィン族の黒い衣装については、私も不思議に思っていました。空気の対流による「煙突効果」と紫外線の吸収で黒のダブダブの服が優れているみたいです。これも、砂漠と違って多湿の日本ではあてはまらない可能性があります。
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