世界中が踊らされた「チョコレートダイエットは効果的」論文――実は釣り 世の中そんなに甘くなかった……
「チョコレートがダイエットに効果的」は嘘、甘い話に世界中が騙される
以下は、1つ目の記事の抜粋と論文のタネ明かしを知らせるサイトの画像です。
「チョコレートはダイエットに効果的」――少し前、そんな甘い研究論文がネットを騒がせました。チョコレートを食べてダイエットになる!? そんな夢のようなダイエット方法は、たちまち世界中のいろんなメディアで紹介されました。
ところが、実はこれは巧妙な「釣り」。論文を発表した「Institute of Diet and Health」などという研究機関は存在しておらず、論文もまた「科学ジャーナリズムの適当さ」を浮き彫りにするために発表したものだったのです。
先日、海外のブログに「I Fooled Millions Into Thinking Chocolate Helps Weight Loss. Here’s How.」という、この論文の「タネ明かし」が掲載され、またも注目を集めました。
書いたのは論文の発表者本人で、彼の主張によると、この「チョコレートダイエット」論文は、いいかげんな科学ジャーナリズムが人々をどれだけ騒がせ、どれだけの人が騙されるかというシニカルな実験のために発表したものだったそう。
以前、「リジェクトされるべき論文を科学雑誌に送りつける実験」に関する記事を書いたときにも思いましたが、論文査読を厳しくすることには限界があります。今後の科学研究の発表の場としては、やたら査読を厳しくするのではなく、掲載された後で読者が意見や再現性などについて書き込めるPlos OneのようなOpen Journalが望ましいと思います。インパクトファクターも時代遅れになってきたのではないでしょうか?
科学者や医師として生きていくためには、一流といわれる科学雑誌も含めて、論文に書かれていることに誇張やウソがないかを見抜く力が必要だと思います。一般のヒトも後でダマされたと腹を立てたくなければ、そのような力を身に着けてください。私は、関連記事に書いたように、チョコレートに血圧やコレステロールを下げる「健康効果」があることも怪しいと考えています。
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