米国成人で糖尿病合併症の発症率が低下
以下は、記事の抜粋です。
米国の成人糖尿病患者における重篤な合併症――心疾患、脳卒中、腎疾患、下肢切断、死亡――の発症率は1990年以降、大きく減少したことが、米国疾病管理予防センター(CDC)Edward Gregg氏らの研究から明らかになった。
心臓発作の発症率は70%近く、脳卒中発症率および下肢切断施行率はそれぞれ50%以上減少していた。高血糖発作による死亡は65%近く、末期腎疾患の発症は28%減少していた。
合併症発症率が低下した一方で、同期間中の糖尿病診断率は急上昇していた。1990年には650万人だった糖尿病患者数は、2010年には2,070万人になっていた。
低下したとはいえ、糖尿病患者におけるこれらの疾患の発症率は非糖尿病患者よりはるかに高い。Gregg氏らによると、糖尿病患者の腎不全リスクは非糖尿病患者の6倍、下肢切断リスクは10倍、心臓発作のリスクは2倍となっている。
検討した糖尿病合併症のなかで、末期腎疾患だけは発症率低下が50%を超えなかった。Gregg氏は、他合併症の発症率大幅低下が腎疾患の発症率低下を緩徐にした可能性を指摘している。末期腎疾患を発症できるほど、糖尿病患者が長く生存できるようになったといえるからだ。
合併症の治療法が進歩したために、糖尿病になっても、心筋梗塞などでポックリ死ぬことは減った。しかし、老化は止められないので、老化で増える腎不全などはあまり減らないという話です。がんも老化で増えるので、おそらく、糖尿病患者ががんで死ぬ例は増えているのでしょう。
著者が「全体としては良いニュースだ。」と言っているところが、アメリカ的だと思いました。今後はスタチンの使用や抗血小板薬の普及で、心筋梗塞あるいは脳梗塞の発症率は減ったけれども、認知症は増えたとかいう報告が出てきそうな気がします。
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