家電量販、「アマゾン価格」に怒り
以下は、記事の抜粋です。
家電製品に関するインターネット通販「アマゾン」の価格設定が波紋を広げている。仕入れ値を下回ると見られる価格に、家電量販店から「ルール違反」との声が上がる。「キンドル」を日本に上陸させる「黒船」の影響力はどこまで広がるのか。
上のグラフは、ある大手電機メーカーが調べた、同社製DVDレコーダーの価格の推移を示したものだ。グラフの赤線はアマゾンにおける販売価格、青線はメーカーの納入価格(アマゾンにとっての仕入れ価格)を表す。この資料によれば、アマゾンは仕入れ値を下回る価格をサイト上で提示していることになる。
このメーカーの関係者は「アマゾンと取引している製品のうち、価格競争が激しい売れ筋を中心としたおよそ2割の商品が、納入価格よりも低い値段で販売されている」と話す。別のメーカー社員は「取引数量の多い大手家電量販店よりアマゾンへの納入価格を低くすることは、あり得ない」と話し、アマゾンが原価割れで販売していることを示唆する。
アマゾン関係者によると、同社は競合する主要サイトの価格を自動で定期的にチェックする仕組みを取り入れている。価格を機械的にほかのサイトに合わせるため、仕入れ値を大幅に下回る価格が出ることもあり得るというわけだ。
アマゾンは日本での事業規模を公開していないが、全体の売上高が5000億~6000億円程度と言われている。そのうち家電や関連製品が占めるのは1000億円程度とされる。同社の主力商品は価格競争がほとんどない書籍。仮に家電分野で赤字が出たとしても、その分は書籍などの黒字で吸収できる可能性が高い。
関連記事で、家電製品を売っている店に来て製品をいろいろ試した後、製品についているバーコードをスマホで読み取るだけの客が増えたという話を書きました。しかし、原価を下回る価格で販売している可能性があることは知りませんでした。
似たような話は他でも聞いたことがあります。ミツカンが「金のつぶにおわなっとう」などを超低価格で販売し、競合する「おかめなっとう」の高野フーズを駆逐しようとしている話です。日本人がコメを食べなくなったために、コメの価格が下落し、ミツカンはコメを原料とする酢で儲けた金を赤字覚悟で納豆につぎ込めるそうです。大豆製品しか扱っていない高野フーズは当然苦戦を強いられます。
何となくアマゾンが恐ろしい存在に思えてきた私ですが、今日もまたアマゾンで買い物をしてしまいました。
ただ、「他社より安い!」で、中小の販売店を駆逐してきた量販店が、今更「安すぎる!」とAmazonに怒ってもあまり同情できない気もします。高齢者を対象として、購入先を問わずに家電製品のメンテをするような活動は、ビジネスとして成り立つのだろうか?などと考えました。
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