1日10万円のC型肝炎薬が人気、米保険会社を圧迫―ギリアド社「ソバルディ」が驚異的売り上げ
以下は、記事の抜粋です。
米バイオ医薬品会社ギリアド・サイエンシズの経口C型肝炎治療薬「ソバルディ」(一般名:ソフォスブビル)は、費用が1日1000ドル(約10万円)かかるが、承認後の初年度売上高が新薬として史上最高となる勢いだ。このため費用の負担が保険会社に重くのしかかっている。
ソバルディは、従来のC型肝炎治療薬より多くの患者を治すとされる新世代薬の第1号。現在の処方状況が続けば今年の米国売上高は最大50億ドルに達する可能性があり、90億ドルと予測するアナリストもいる。比較として、昨年最も売れた治療薬は米アブビーの関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」で、世界売上高が107億ドルだった。
ソバルディの12週間治療の定価は8万4000ドル。潜在市場の大きさからみると価格が高すぎるとして、当局や保険会社から反発も出ている。米国の約320万人がC型肝炎ウイルス保持者とされ、その多くは静脈投与による薬物の利用で感染している。米疾病対策センター(CDC)によると、未処置の場合、毎年米国で1万5000人が死亡する慢性的感染症で、米国の肝臓移植の主因となっている。
ギリアドのグレッグ・アルトン氏は、批判に対し、「1錠あたり、あるいは1ボトルあたりの費用に注目しているが、それは的外れだ。患者の治癒にどれだけ費用がかかるかを見るべきだ」と述べた。ソバルディの価格は治癒率の低い従来薬と同等で、むしろ17万5000ドル以上かかる肝臓移植の費用より割安だと指摘した。
最近の記事で、ソフォスブビルとその他の新しい直接作用売薬を組み合わせることで、これまで難治性とされていたC型肝炎が、進行例も含めて95%以上持続性ウイルス陰性化(sustained virologic response、SVR)できることを紹介しました。
ベバシズマブ(アバスチン®)のような抗体医薬やイマチニブ(グリベック®)などの分子標的薬にも高価なものはありましたが、保険会社に与えたインパクトはどれもソフォスブビルには及ばなかったと思います。崩壊の危機に瀕している日本の保険制度はどのように対応するのでしょうか?
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