双極性障害外来患者におけるリアルワールドでの離婚予測因子

双極性障害外来患者におけるリアルワールドでの離婚予測因子: 性差と臨床的影響
以下は、論文要約の抜粋です。


背景: 双極性障害は、躁状態と鬱状態の繰り返しを特徴とする精神疾患であり、社会的障害を引き起こすことが知られています。さらに、双極性障害は離婚や家族のサポート喪失のリスクを高め、予後を悪化させる可能性があることも明らかになっています。しかし、現実世界の双極性障害患者の離婚の予測因子に関する証拠は限られています。

方法: この研究は観察アプローチを利用し、クリニック176院の精神科医が参加した。彼らは、双極性障害と診断された患者に焦点を当てたアンケートに回答するよう求められた。ベースラインの患者特徴のデータ収集期間は、2017 年 9 月から 10 月まででした。次に、ベースラインから 2019 年 9 月から 10 月までの 2 年間の離婚の発生率を調査しました。

結果: 双極性障害の外来患者計 1,071 人が分析に含まれ、2 年間の観察中に 2.8% (1,071 人中 30 人) が離婚を経験しました。この離婚率は、一般的な日本人の離婚率よりもかなり高かった。分析により、すべての研究参加者において、ベースライン年齢が若く、BMI値が低いことが統計的に有意な離婚発生の予測因子であることが確認されました。次に、離婚の予測因子を性別別に調査しました。その結果、男性の場合、ベースライン時の年齢が若く、双極性障害II型障害に比べて双極性I型障害を患っていることが統計的に有意な離婚予測因子であることが明らかになった。対照的に、女性の場合、BMIが低いことと抗不安薬の使用が統計的に有意な離婚予測因子として浮上した。

結論: この研究では、双極性障害患者のベースライン年齢が若く、BMI値が低いことが統計的に有意な離婚予測因子であった。注目すべきことに、離婚の予測因子は男性と女性の間で大きく異なりました。これらの発見は、現実世界の臨床現場における双極性障害患者に対する社会的サポートに関して、家族の観点から重要な洞察を提供します。


「観察アプローチ」ということから考えて、この論文で「ベースライン」というのは、診療が始まった時点、つまり躁鬱どちらかの症状で医療に接触した時点です。その時点でその患者が痩せている(BMI値が低い)と離婚率が高い、、、、、どう考えたら良いのかわかりません。

この研究は、2年という短い期間での結果ですが、このままフォローを続けて10年あるいは20年以上の結果を報告して欲しいと思います。

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