「デトックス」の効果には科学的根拠はない

毒素を体外に排出するとうたう「デトックス」の効果について専門家が解説
以下は、記事の抜粋です。


サプリメントや特定の食品、あるいはダイエット法など、テレビなどには「デトックス」をうたう商品の広告や宣伝がたくさんあります。体から毒素を排出することを目指すこの健康法の科学的な裏付けについて、専門家が解説しました。

◆そもそもデトックスとは?
「血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁」の4つの体液のバランスが崩れると病気になるという四体液説に基づき、西洋の医者たちは何世紀にもわたって瀉血(しゃけつ)や嘔吐剤、かん腸で体内の均衡を保ち、患者を癒やそうとしてきました。

現代では、主なデトックスは通常の食事の代わりに飲む飲料となっています。デトックス飲料としては、お茶やコーヒーをはじめ、スパイスやフルーツなどを漬けたインフューズド・ウォーター、果物や野菜、ハーブ、特定の栄養素や天然成分を加えたドリンクなどさまざまな種類が出回っており、その多くが体内の毒素を洗い流したり免疫力を高めたりする効果をうたっています。「デトックス飲料市場は2022年に50億ドル(約7270億円)に達しており、2030年までにさらに50%成長する」と推定されています。

飲み物の他にも、ビタミンや抗酸化物質などを配合したサプリメント、オーガニック食品、プロバイオティクスなどのデトックス食品があるほか、逆に特定の食品を摂取しない「除外食」や断食などもデトックスとして推奨されているとのこと。また、デトックス法の中には大腸を洗浄する「大腸灌流」やレメディと呼ばれる砂糖玉で治療を試みるホメオパシー療法なども存在しています。

デトックスの効果
デトックスに効果があるのかという問いに対するニューカッスル大学のコリンズ氏の簡潔な回答は「ノー」です。2022年に発表された研究では、デトックスダイエットで何らかの毒素が排出されるメカニズムや、何らかの食事によって排出される特定の毒素などを発見することはできませんでした。研究者らはこの研究で、肝臓と腎臓には極めて効率的に毒素を体外に排出する機能が備わっていることを強調し、「デトックスは人間の生理学の一般原則に反している」と結論づけています。

デトックス商品を売る上では、一般的に安全性や成分の品質に問題さえなければ、本当にデトックス効果があることを証明する必要はありません

デトックスの潜在的な危険性やポジティブな側面
特定の食品群を極端に制限するデトックスダイエットには栄養不足のリスクがあるため、これが疲労感やイライラ、口臭などにつながるケースもあります。

また、副作用や過剰摂取の可能性といった有害事象のリスクも指摘されています。例えば、スペインでは肝臓洗浄デトックスをうたう「エプソムソルト」の成分表示が不適切だったことが原因で、50歳の男性がマンガン中毒を起こして死亡する事故が発生しました。

こうした点からコリンズ氏は、「慢性疾患のある人、摂食障害のある人、高齢者、子ども、妊娠中や授乳中の女性といった人は絶対にデトックスを試すべきではありません」と述べました。


デトックス商品を売る上では、本当にデトックス効果があることを証明する必要はありません。」というのが最大の問題だと思います。デトックス商品だけではなく、いわゆるトクホは勿論、小林製薬やアリナミン製薬のいかにも「クスリっぽい」製品の多くも謳っている健康についての効果を臨床試験のような形で証明したものは少ないです。テレビやSNSでの激しい宣伝攻勢に騙されないようにしてください。

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