汗をかいて「デトックス」は誤り 毒素排出にまつわる誤解とは
以下は、記事の抜粋です。
デトックスという言葉が流行語大賞にノミネートされたのは2007年のこと。以来、この言葉は私たちの生活にすっかり溶け込んでいる。「毒素を排出してきれいにする」のはとても魅力的だが、それだけに誤解も少なくない。誤った情報に振り回されないように、よく見かける“デトックス神話”のひとつである「汗をかいてデトックス」の真相を科学者が厳密に検証した研究を紹介しよう。
発汗は今や健康や美容のトレンドになっている。同じく昨年の流行語大賞の候補になった「ととのう」をはじめ、「サウナ―」や「サ活」などのキーワードが生まれたサウナから、これもブームのホットヨガまで、タオルが汗でびっしょりになるアクティビティはリラクゼーション効果があるだけでなく、体の毒素を排出して健康を保つとも言われる。
だが、汗をかいて毒素を排出するという説は、汗をかいて弾丸を搾り出すというのと同じくらいありえない話であることは、学術誌「Environment International」2018年2月号に掲載された論文ですでに示されている。科学者たちも長年密かに疑っていたことだが、汗と一緒に毒素も排出されるというのは都市伝説に過ぎないのだ。
汗に汚染物質は含まれるのは事実だが……
人間が汗をかくのは体温を下げるためであって、老廃物や有毒物質を排出するためではない。その役目を負うのは腎臓と肝臓で、大部分は尿として排出される。もちろん、都市伝説の中にも一粒の真実はあるものだ。この場合も例外ではない。汗の成分の大部分は水とミネラルだが、様々な種類の有毒物質も含まれている。
では、汗の中にはどれほど有害な物質が含まれているのだろうか。ほとんどの汚染物質に関しては、その量はあまりにわずかで、あってもなくても変わらないと、先の研究を率いたパスカル・インベルト氏は言う。インベルト氏は、体脂肪に蓄積する汚染物質を研究している。
これらの物質は「残留性有機汚染物質」と呼ばれ、農薬、難燃剤、そして現在は禁止されているもののまだ環境中に残っているポリ塩化ビフェニル(PCB)などがある。食品や環境中にある「毒」と一般に考えられているが、脂肪に引き寄せられる性質があり、ほとんどが水分の汗には溶けにくい。
インベルト氏と研究仲間が調べた結果、普通の人が1日45分間の激しい運動を行ったとしても、1日の発汗量はせいぜい2リットルほどだった。これには、運動していない平常時の発汗も含まれる。そして、それだけの汗をかいても汚染物質は0.1ナノグラム以下しか含まれていない。
言い換えると、「普段の食生活で体内に取り込む汚染物質のうち、汗で出る量は0.02%に過ぎません」と、インベルト氏は言う。さらに運動を激しくしたとしても、0.04%程度までしか増えない。つまり、どんなに大量の汗をかいたとしても、その日体内に摂取した汚染物質の1%すら排出できないということだ。
同じ内容はインベルト氏が2018年に論文を発表した時の時の記事でも書きましたが、まだサウナが体に良いと思っているヒトが多いのでこの記事を紹介しました。
むしろ、西城秀樹さんの例をみるとサウナは体に良くないです。彼のように水を飲まなかったり、酒を飲んでサウナに入るのはやめましょう。
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