PCRで陽性が確定した後、10日経って症状もなければ、他人を感染させる可能性はほとんどない

感染後のウイルス排出期間(2022年7月21日)
以下は、山中伸弥先生のページからの転載の抜粋です。


新型コロナウイルスに感染後、感染性のウイルスが消えるまで何日くらいかかるかは非常に重要な問題です。7月21日に報告された論文ではデルタ株とオミクロン株に感染した人(それぞれ32名と34名)において、感染性のウイルスが検出されなくなるまでの日数とPCRが陰性になるまでの日数を比較しています(下の表)。

これによると、PCRで陽性が確定した後、感染性のウイルスが検出されなくなるまでの期間は、デルタ株が平均4日、オミクロン株が5日で、統計学的な有意差はありませんでした。PCRが陰性になるまでの期間は、それぞれ10日と11日で、やはり統計的な有意差はありません。またワクチン接種の有無による違いも認められていません(下図)。ただ、人によるばらつきが多く、表に示されているIQRとは、被験者の50%の人の範囲を示しており、残りの50%はこれより短い、もしくは長い結果でした。15日後においては、感染性ウイルスが検出された人はいませんでした(下図)

従来型のウイルスに関しては、国立感染研がエビデンスのまとめを昨年2月18日に公表しています。軽症・中等症においては、発症10日目以降の症例からの感染のリスクは低いことが示唆されています。


論文での症例と国立感染研のまとめを総合すると、軽症・中等症においては、PCRで陽性が確定した後、10日経って症状もなければ、他人を感染させる可能性はほとんどないと言えます。

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