新型インフルワクチンの安全性

新型ワクチン接種/気になる輸入品の安全性

以下は、記事の抜粋です。


国の新型インフルエンザ対策の柱となるワクチン接種が19日にも始まる。厚生労働省は国産2700万人分の確保に加え、海外メーカー2社とも4950万人分の輸入契約を結び、接種の準備を進めている。

ワクチンの副作用は、局部的な腫れや痛み、じんましんなどのアレルギー反応が一定の割合で発生する。少例ではあるが、急性脳症や神経障害系の重い症状を引き起こすこともある。それらのリスクの度合いについても国はきちんと伝えるべきだ。

とりわけ、気にかかるのは、輸入ワクチンだ。英国製(3700万人分)は、欧州で承認されているが、国産にはない免疫補助剤が入っている。スイス製(1250万人分)は、国産と製法が全く異なる。欧州4カ国で行った臨床試験結果が現在、分析されている段階という。

政府は「流行期までに間に合わなくなる」として、他国での承認を条件に、日本での正式な臨床試験を省略する特例承認の適用に踏み切る。しかし、輸入分の接種は、早くても年明け後になるとみられる。先を急いで、安全確保をなおざりにすることがあってはなるまい。


本当に、輸入ワクチンは「免疫補助財が入っているから」あるいは「製法が全く異なるから」安全性に不安があるのでしょうか?また、「日本での正式な臨床試験」にそれほど大きな意味があるでしょうか?

国産メーカー4社とは、北里研究所(埼玉県北本市)、化学及血清療法研究所(熊本市)、デンカ生研(東京都中央区)と阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)です。英国製とはグラクソ・スミスクライン社製、スイス製とはノバルティス社製です。

グラクソ・スミスクラインは、2007年の世界の医薬品売り上げランキングで世界第3位、ノバルティスは第5位です。日本勢トップのタケダは17位、2番目のアステラスでも20位ですから、これら2社の大きさがわかります。一方、日本のメーカーは4社とも中小企業です。

海外2社は技術的にもかなり進んでいます。日本の4社は昔ながらの鶏卵を使用する方法でワクチンを作っていますが、グラクソ・スミスクラインは昆虫細胞、ノバルティスは、犬の腎臓由来のMDCK細胞を使っています。これらの培養細胞を使う方法は、鶏卵法よりも大量のワクチンを速く製造することができます。

培養細胞利用しワクチン製造 阪大微研が香川に計画」のニュースのように、阪大微研は、ノバルティスと同じ犬の腎臓由来の細胞を使ったワクチン製造施設をつくるという計画を発表したところです。昆虫細胞を用いる方法も、UMNファーマというベンチャー企業が始めた所です。

このように、会社の規模でも、ワクチンの製造技術でも圧倒的に外国企業がリードしています。しかし、マスコミは、「輸入ワクチンには不安がある」という報道をくりかえしています。誰かがそのようなガセネタを流しているのでしょう。国産メーカーの周辺に既得権益の甘いにおいがします。

現在、輸入ワクチンについては、海外での臨床試験の結果などの情報がいくつかありますが、国産ワクチンについてはほとんどありません。今どちらを選ぶかと聞かれたら、私は輸入ワクチンを選びます。

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