エストロゲンの濃度が変動すると、筋肉や腱の強さや柔軟性が変化する

経口避妊薬で女性の運動中のけがが減る、筋肉と腱で8割減、研究…前十字靱帯断裂は女性の方が2~6倍なりやすい、ホルモンの変動が影響か
以下は、記事の抜粋です。


経口避妊薬を飲んでいる女性は、飲んでいない女性に比べて、下肢(脚と足)の筋肉と腱のけがをする確率が約8割も下がることを示す論文が、2024年3月に発表された。スポーツのけがを減らすのに避妊薬が果たす役割を解明すれば、すべての女性アスリートの健康を守るのに役立つ可能性がある。

研究はまだ初期の段階にあるが、男性アスリートと女性アスリートではけがの発生率や種類に違いがあることははっきりしている。たとえば、女性アスリートは男性アスリートに比べて膝の前十字靱帯の断裂を起こす確率が2〜6倍高く、サッカーで脳震盪を起こす確率が2倍高く、疲労骨折を起こしやすいことが明らかになっている。

ベイラー医科大学のキャンディス・メイソン氏によると、女性アスリートの前十字靭帯断裂は男性アスリートに比べて、他の選手や物体との接触が原因であることは少ないうえ、断裂するのは先導脚(先に地面を離れる脚)より後続脚の靱帯であることが多いという。また、前十字靱帯を断裂した女性アスリートが競技に復帰できる可能性は、男性アスリートに比べて約25%低い。

今回の論文では、18歳から39歳までの一般の患者を対象に、経口避妊薬の使用と筋肉や腱の損傷リスクとの関連を調べた。分析の結果、経口避妊薬を使用していない女性の負傷率が2.55%だったのに対し、使用している女性では、その約8割減の0.55%だった。

経口避妊薬がエストロゲン濃度の変動による腱や筋肉の変化を小さくし、それらを強くする効果があるからだと考えられるそうだ。月経周期とともにエストロゲンの濃度が変動し、筋肉や腱の強さや柔軟性が変化すると、ある時期にはできたことが別の時期にはできなくなるなどの予測不能性が生じるという。

しかし、経口避妊薬には副作用のリスクがあるため、けがをする見込みが下がるからといってすべての女性が使えるわけではない。35歳以上の喫煙者、心臓病のある人、血栓症になった家族がいる人、前兆のある片頭痛を持つ人などは、より副作用のリスクが高くなる。

なお、若い女性アスリートは、カロリー不足によって運動能力が低下する「スポーツにおける相対的エネルギー不足(RED-S)」による無月経の治療のために経口避妊薬を使うことが多い。RED-Sは無月経や月経不順を引き起こすだけでなく、疲労骨折などでけがをする確率を高めるほか、骨密度を低下させて骨粗しょう症の原因にもなる。

RED-Sの女性アスリートが経口避妊薬を服用すれば、月経を回復させ、けがの確率を下げることができるが、エネルギー不足を解消することはできない。さらに骨密度については、改善できないだけでなく、さらに低下させるおそれがあるとする研究結果もある。


いずれにしても、私の身体が女性よりも硬いのはエストロゲンが少ないせいだと思います、、、納得。

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