アセトアミノフェンの作用機序は?

意外と知らないよく使う薬 アセトアミノフェンの作用機序
以下は、記事の抜粋です。


アセトアミノフェンの代謝物N-アラキドノイルアミノフェノール(AM404)が中枢で作用するという説が有力です。

アセトアミノフェンには、抗炎症作用がほとんどありません。そのため、「なぜアセトアミノフェンに鎮痛効果があるのか」は長年、謎とされてきました。アセトアミノフェンは、医薬品としては1893年に誕生しており、非常に古くから存在する薬剤ですが「中枢で鎮痛作用を示す」という程度の理解で100年が経過したのです。2000年代になると、「中枢神経系に存在するCOX-3を選択的に阻害し、視床と大脳皮質に作用する」ことが論文に掲載され謎は解明されたかにみえましたが、その後の研究でCOX-3阻害作用と臨床効果の相関が弱いことがわかったことから、また振り出しへもどりました1,2)。

近年では代謝物であるAM404が注目を集めています3)。アセトアミノフェンは肝臓で代謝され、p-アミノフェノールへと変わりますが、このp-アミノフェノールが脳内へと移行し、脂肪酸アミド加水分解酵素によってアラキドン酸と結合したAM404へと変わることで、鎮痛作用を示すという説が現在では有力となっています。AM404にはアナンダミドの再取り込み阻害作用があるといわれていますが、このアナンダミドは内因性カンナビノイドであり、脳内マリファナ類似物質ともよばれます。アナンダミドは、エンドカンナビノイドシステムとして、細胞同士の伝達を介して食欲、痛み、免疫調整、感情抑制、運動機能、体温などを調節する働きがあるといわれています3,4)。

参考文献
1)Chandrasekharan NV, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2002;99:13926-13931.
2)Kis B, et al. J Pharmacol Exp Ther. 2005;315:1-7.
3)McGregor IS, et al. Brain Res. 1998;802:19-26.
4)Clapper JR, et al. Nat Neurosci. 2010;13:1265-1270.]


「中枢神経系に存在するCOX-3を選択的に阻害し、視床と大脳皮質に作用する」だと思っていました。

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