新型コロナウイルス感染症の症状…ワクチン接種2回以下と3回以上の違い

コロナの症状、ワクチン回数による違い
反ワクチンのヒトには通じないと思いますが、分かり易い説明だと思います。

以下は、説明記事とその抜粋です。
ワクチン接種回数や年齢層によるCOVID-19症状の違い―札幌市での調査で明らかに


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種回数が多いほど感染時に全身症状が現れにくい一方で、咽頭痛や鼻汁などの上気道症状が現れやすいことなどが明らかになった。北海道大学医の中久保氏らが、札幌市のデータを解析した結果で、オミクロン株BA.2とBA.5の症状の特徴や、高齢者と非高齢者の違いも示されている。

この研究に用いられた情報は、発症日、食事摂取状況、12種類(発熱、咳、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、頭痛、倦怠感、関節や筋肉の痛み、下痢、味覚・嗅覚異常など)の症状、年齢、性別、基礎疾患など。これらの情報と、感染者等情報把握・管理支援システム、ワクチン接種記録システムのデータを統合して解析が行われた。

解析対象は、2022年4月25日~9月25日にデータが記録されていた15万7,861人。主な特徴は、年齢が中央値33歳、65歳以上6.9%、男性47.7%、BMI中央値21.1、BMI30以上4.3%、ワクチン未接種者38.0%、感染既往者3.7%など。また、オミクロンBA.2の感染者が21.8%、BA.5が78.2%を占めていた。重症化した(酸素投与と入院を要した)のは142人、30日以内の死亡は4人だった。

最も一般的な症状は咳(62.7%)であり、次いで咽頭痛(60.7%)、鼻汁(44.3%)、頭痛(42.1%)、38度以上の発熱(38.8%)、痰(36.1%)、関節や筋肉の痛み(29.1%)、食思不振(28.1%)などだった。BA.2流行期と比較してBA.5流行期には発熱や食思不振などの全身症状が多く、これはワクチン接種歴や基礎疾患などの影響を除外した解析でも同様だった。

ワクチン接種歴との関連では、3回以上接種した人は全身症状が現れにくく、反対に鼻汁や咽頭痛といった上気道症状が現れやすいことが分かった。またワクチン接種の影響は、接種日から日数が経過するに従い小さくなること、2回接種よりも3回接種の方がより強い影響が持続することも示された。

年齢との関連については、高齢者は若年者と比較して、全体的に症状が現れにくいものの、いったん発熱や倦怠感などの全身症状が出現すると、その後に重症化しやすくなる傾向が認められた。例えば、呼吸困難、発熱、食思不振、倦怠感という4症状がある場合、それらがない場合に比べて重症化のオッズ比は40.26に上った。一方で、咽頭痛や鼻汁が出現した高齢者は、その後の重症化リスクが低い傾向が見られた。例えば、咽頭痛と鼻汁の双方がある場合、その後の重症化のオッズ比は0.19だった。

著者らは、「これまでの研究から、SARS-CoV-2の武漢株、アルファ株、デルタ株、オミクロン株では、感染時の症状が異なることが知られていたが、オミクロン株の亜株(BA.2とBA.5)の間でも、症状の特徴が異なることが明らかになった。また、ワクチン接種者では上気道症状が現れやすくなるという点も、今回初めて示された」と総括。さらに、「高齢者では上気道症状ではなく、全身症状が重症化の前兆と考えられるという知見は、今後の治療介入の判断に有用な情報となり得る」と付け加えている。


元論文のタイトルは、”Associations of COVID-19 symptoms with omicron subvariants BA.2 and BA.5, host status, and clinical outcomes in Japan: a registry-based observational study(日本におけるCOVID-19症状とオミクロンサブバリアントBA.2およびBA.5、宿主状態および臨床転帰との関連:レジストリに基づく観察研究)”です(論文をみる)。

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