ニンニクを食べたあとの口臭の原因とその解消法について

なぜニンニクは好んで使われるのに「ニンニクくさい息」は嫌われるのか?
以下は、記事の抜粋です。


ニンニクを食べたあとの口臭は嫌われることが多々あります。なぜニンニク臭に嫌な感じがあるのかというメカニズムを、オハイオ州立大学のシェリル・バリンジャー教授が解説しています。

古くは5000年前にエジプトとインドの文化でニンニクが言及されているほか、4500年前にバビロニア人がニンニクを使用したという歴史的証拠が残っています。また、ニンニクに含まれる化合物は血圧を下げ、抗菌効果をもたらすと今の研究では示されています。

そもそも食事によって引き起こされる口臭のほとんどは、口の中の隙間に入り込んだ食べ残しの粒子が腐敗することで生じます。一方で、一般的に「ニンニクを食べた後の口臭」とされるものは、食べ物が胃に到達して胃液がニンニクを分解する際に、硫化物のほかビタミンやミネラルを放出する際に生じる、アリルメチルスルフィド(AMS)という分子が原因となっています。

AMSは、胃の内壁をすり抜けて血管に入っていきます。そうして血液中に侵入したAMSは、血管内に入ったAMSは、肺でのガス交換で二酸化炭素とともに肺胞内に取り込まれ、呼気に含まれる形で体外へ放出されます。結果として、息の中にAMSが含まれることで、「ニンニクくさい息」となります。

AMSは血管の中でも最大で24時間、匂いを放出する力を持続する可能性があります。なお、バリンジャー氏らは、リンゴやレタス、ペパーミントを食べることで、血中のAMSの濃度を大幅に減少させることができると報告しています(論文をみる)。これは、上記の食材には硫化物と結合して硫化物を大きくするフェノール化合物が含まれているため、分子が胃の内壁をすり抜けられなくなり、AMSが血中に溶け込まなくなるというものとなっています。


上記の論文によれば、ニンニクを食べた後の息に含まれるAMSの濃度は、生のレタスやリンゴを食べると30分以内に50%まで減少すると書かれています。特定の酵素によってAMSがフェノール化合物と反応することによる脱臭だとされています。リンゴジュースとミントジュースも、ほとんどのニンニク揮発性物質に対して消臭効果がありましたが、一般に生の食品ほど効果はありませんでした。これは、おそらくジュースには酵素活性があるものの、フェノール化合物がすでに重合して反応性を失っていたためと推測されています。ニンニクを食べるときにリンゴを一緒に食べるのは合わないような気がするので、生のレタスが良いかもしれません。

 

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